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映画ノート

キラー・スナイパー

今日はウィリアム・フリードキン監督6年ぶりの新作『キラー・ジョー(原題)』を。
インディペンデント・スピリット賞マシュー・マコノヒーが主演男優賞にノミネートされています。





キラー・スナイパー
2012年(アメリカ)
原題:Killer Joe

監督:ウィリアム・フリードキン
出演:マシュー・マコノヒー、エミリー・ハーシュ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ジュノ・テンプル、ジーナ・ガーション


 
 
テキサスのドラッグ・ディーラー、クリス・スミスエミリー・ハーシュ)は借金を抱え、
唯一の解決策に保険金目当てで自分の母親を殺すことを決める。
父親(トーマス・ヘイデン・チャーチ)と義理の母(ジーナ・ガーション)を巻き込み、
殺し屋に”Killer” ジョー・クーパー(マシュー・マコノヒー)を雇うことに。
ところが返礼金の不足を知るや、ジョーはクリスの妹ドッティージュノ・テンプル)を担保に要求し・・

テキサスを舞台に繰り広げられるクライム・スリラーです。
トレーラーハウスに住むホワイトトラッシュのスミス父子に雇われる殺し屋が
キラー・ジョーことジョー・クーパー。なんと本職はダラス警察の刑事!!




とにかくジョーを演じるマシュー・マコノヒーが変態で最高です。
刑事としての洞察力は一流だが、ジョーの目はどこか退廃的。
時間にも正確で几帳面な反面、女にも容赦なく暴力を振るい、
事件を自分なりの手段で解決し「明るい家族」を強要する。
いかにも不釣合いなガーリーなドッティーにのめり込むジョーの姿には
汚い世界にまみれすぎた男が小さな理想郷を求めているようにも感じられる。

エミリー・ハーシュ、トーマス・ヘイデン・チャーチジーナ・ガーションと共演者たちも実力派揃い。
とくにガーションのビッチぶりは最高。
登場シーンなんて顔を見せずにボーボーな下半身ヌード姿ですから^^;

非道徳で暴力的で退廃的な作品ながら、どこか可笑しみがあって
小さな希望にすがりたくなるような哀しみも秘めている。
これはなかなかツボでした。