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映画ノート

パラノーマン ブライス・ホローの謎

 

 
パラノーマン ブライス・ホローの謎 2012年(アメリカ)
原題:ParaNorman
監督:クリス・バトラー 、サム・フェル
声の出演:コディ・スミット=マクフィー、タッカー・アルブリジーアナ・ケンドリックケイシー・アフレックレスリー・マン
 
 
マサチューセッツ州ブライス・ホロー。
魔女伝説で有名なこの街に暮らすノーマンは、ちょっと変わった男の子。
彼には死者が見え、会話までできるのだ。
おかげで学校では変わり者として虐められ、父親や姉にも疎まれる日々。
ノーマンには、やはり死者と話す能力を持つ叔父がいたが、叔父はあることをノーマンに託して死んでしまった。
叔父に託された任務とは・・・
 
 

コララインとボタンの魔女』のライカ・エンターテインメントが手がける3Dストップモーションアニメです。

死者と話すことのできる男の子が、ある秘密に立ち向かい街を救うという物語。
舞台となる街は魔女伝説で有名で、メイン通りは魔女博物館などで溢れている
そう、ブライス・ホローという架空の名前をつけてはいるけどこの街が先日訪れたセイレムをモデルにしていることは明らかで
そうすると、その秘密にも想像が付くというものですね。

死者が出てきたり、呪いをかけられたゾンビに襲われたりホラーアドベンチャーの形は取るものの、
本作は「虐め」の本質に触れるテーマに深みがあります。

人間には「人と違う風変わりな者」を恐れる性質があって、
それが虐めや排除に繋がるというのは「呪い」の発端となる歴史的事件の起きた300年前も、今も同じ。

痛みをわかるノーマンだから怒りを沈め「呪い」を解く事が出来たのも納得で
後半ノーマンが邪悪なものに対峙するシーンの優しさと切なさに涙してしまったのでした。
「人と違うことは個性」であることに気づき、耳を傾けることの大切さも教えてくれる作品です。
 

日本公開は3/29~  

余談ですが、私は小さいときに買い物にいく道端に頭から血を流し座っているおじいちゃんを見てました。
(一度だったか、複数回だったかも覚えてないのだけど)
幼心に、誰も気にせず放置してるのを不思議に思いながら一緒にいた母にも何も言わずにいたっけ。
でも今思うと、きっと見えてたのは私だけだったんでしょうね。そんなことを思い出しました。
 
★★★★