しまんちゅシネマ

映画ノート

ヘレン・ハント監督『いとしい人』






今日から2~3本、女優さんの初監督作品を取り上げます。
まずはヘレン・ハントの2007年の作品から


いとしい人(2007)アメリ
原題:Then She Found Me



ヘレン・ハント監督、脚本、主演のヒューマン・ドラマです。

39歳の小学校教師のエイプリル(ヘレン・ハント)は結婚10ヶ月の夫(マシュー・ブロデリック)に別れを告げられる。悪いことは続くもので、養母が死に、そんなさなか、実母と名乗る女性(ベッド・ミドラー)が現れる。生徒の独り者の父親(コリン・ファース)を好きになり始め・・。






自分が養子だったことから、子供を生んで、本当の家族を作りたいと切望する矢先の別れ、
39歳という崖っぷちの年齢ということで、ヒロインの焦りは痛いほどにわかります。
実母の存在が彼女を傷つけ、他にも最悪のことが起き、彼女は信仰心さえ失うことになるんですね。

結婚、離婚、妊娠、子供の親になることとは?や、養子、母子関係 信仰心まで
ヘレン・ハントは女性ならではの視点で、それぞれの問題にリアルに迫ります。
正直すぎて息苦しいと思う部分もあるし、マシューやファースなど男性陣の描き方はちょっと断片過ぎるかもという気がするけれど、「生まれてくる命」に真摯に向き合い、正直に人生を生きようとするヘレンの姿勢が窺えるところには好感がもてました。

最後は落ち着くべくところに落ち着いたんだなぁと。
こういう形の幸せもあるんだということにも気づかされました。

宗教心などない私だけど、「命」を授かるかもしれない治療のシーンで
エイプリルがヘブライ語で歌う祈りの歌の美しさに、神聖な感動がありましたよ。



トラックバックいただいてます


Tracked from 今昔映画館(静岡・神奈川.. at 2013-03-31 13:16 x


タイトル : 「いとしい人」は、「あーわかるわかる」と、「へーそうなん..
今回は東京では公開が終了している「いとしい人」を横浜シネマベティで観て来ました。アルバトロスが配給してるんですね。かつてのゲテもの系配給会社も、最近はアート系やこういう小品を配給するようになっていたとは。 39歳の小学校教師エイプリル(ヘレン・ハント)は、同僚のベン(マシュー・ブロドリック)と結婚して間もないのですが、ある日ベンが家を出て行ってしまいます。彼女は自分が養女だったことを知っていて、自分の子供が欲しくて仕方なかったのです。そんな中で養母がなくなり、そのタイミングで、エイプリルの......more