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映画ノート

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮






北欧映画特集
今日は、18世紀後半のデンマークの王宮を舞台にした愛と陰謀の実話です。

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(2012)デンマーク

英題:A ROYAL AFFAIR
出演:マッツ・ミケルセンアリシア・ヴィキャンデル、 ミケル・ボー・フォルスゴー、トリーヌ・ディルホムデヴィッド・デンシック、トーマス・ガブリエルソン、 サイロンメルヴィル


18世紀後半、精神を病んだデンマーク国王クリスチャン7世の侍医となった野心家のドイツ人ストルーエンセ。王の唯一の理解者であり、親友となる一方で彼は、孤独な王妃カロリーネの心も虜にし、禁断の恋に落ちる……。(公式サイトより)

本作のマッツ・ミケルセンは『プッシャー』のチンピラとは打って変わって
精神を病んだデンマーク王の侍医となるドイツ人医者ストルーエンセ。
啓蒙思想を持つ彼は、王の信頼を受け、実質王政を支配するまでになるんだけど
その影で、美しい王妃と恋仲になっちゃうんですね。

映画は2人の禁断の恋の行方を描くと同時に、政治の反対勢力や、王位を狙うものたちの陰謀が描かれます。

王の粗行に呆れ、孤独に生きる王妃が、マッツさんと恋に落ちるのも極自然。
しかも2人は民衆の暮らし向きを良くするための、いわば世直し共同体ともいえる関係
しかし、改革を急ぎすぎるものは叩かれるのが世の常で、2人を待ち受ける運命は切ない。

切ないといえば、王もまた気の毒なんですよね。
過度な養育から精神を病み、周りからは疎んじられ
唯一の友と思えた男から妻を寝取られ、それでも彼を信じていた。
勿論性的な関係ではないけれど、王は王妃よりもむしろストルーエンセを愛していたんじゃないかな。ミケル・ボー・フォルスゴーはベルリン男優賞受賞。繊細な演技で上手かった。




王妃を演じたアリシア・ヴィキャンデルは『アンナ・カレーニナ』のキティ役で見たばかりだったけど、本作の彼女のノーブルで美しいこと。
王にビンタを食らわす強さもあり、いつまで見てても全然飽きないのは演技力によるところも大きいはず。期待の女優さんですね。

ドロドロの三角関係を描いたドラマというだけでなく、男の野望や宮廷の権力争い、信頼関係や駆け引きなど怒涛のドラマが繰り広げられる壮大な史劇。これは面白かった!