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映画ノート

隣人 ネクストドア






隣人 ネクストドア(2005)ノルウェーデンマークスウェーデン

原題:NABOER/NEXT DOOR
監督:ポール・シュレットアウネ 出演:クリストッフェル・ヨーネル/ セシリ・A・モスリ/ ユリア・シャクト/ミカエル・ニクヴィスト


さて、北欧シリーズ、今日はノルウェー発サイコスリラーです。

恋人に振られ傷心のヨーン(クリストッフェル・ヨーネル)は、ある日仕事から帰宅すると、アンネと名乗る隣室の美人から家具を動かしてほしいと声を掛けられる。隣室には妹らしいキムという美女。ドアの入り口には大きな家具が置かれており、それでドアを塞ぐのだと言う。
「なぜ?」と訊ねるヨーンに「あなただったらどうしてドアを塞ぎたいと思う?」と謎めいた返答をするアンネ・・。何故かヨーンの日常を知り尽くしたような口ぶりの姉妹に、ヨーンは違和感を感じ始め、次第に精神的に追い詰められていくという話。





キムに誘惑されるシーンはエロティックで、いわゆるラブサスペンスな作品かと思ったら大違い。
ヨーンが壊れていく様をポランスキーの『反撥』にも似た悪夢のような描写で描きつつ、ことの真相を全て明かしていくミステリー仕立てが見事なサイコスリラーでした。

終わってみれば、アンネがドアを塞ぐ理由をヨーンに訊いた事も、謎めいた台詞の多くも全てある真相に繋がるもの。脚本も手がけたポール・シュレットアウネ監督上手いですね。
ヨーンを演じたクリストッフェル・ヨーネル(『孤島の王』の寮長役)の演技も見事で、彼はノルウェーアカデミー賞の主演男優賞を受賞しています。




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Tracked from いやいやえん at 2013-10-23 08:22 x

タイトル : 隣人/ネクストドア
「チャイルドコール/呼声」の監督さんによるスリラー。 精神を病んだ主人公と言う所は「チャイルドコール/呼声」と同じ。主人公ヨーンは現実を曲解している。ヨーン役(「チャイルドコール/呼声」ではヘルゲ役)クリストファー・ヨーネルさんが、実に繊細な演技をみせる。 途中までは色々な点においてこれは一体どういうことだ?と思っていたのだけれど、ある時点でこの物語の殆どがヨーンの作り上げた世界であることがわかる。ヨーンは元恋人とその新しい男を殺してしまったがその真実を受け入れられず、存在しないはずの隣の......more