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映画ノート

プロミスト・ランド




プロミスト・ランド(2012)アメリ
原題:Promised Land
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マット・デイモンフランシス・マクドーマンド/ジョン・クラシンスキー/ハル・ホルブルックローズマリー・デウィット
日本公開:未定

天然ガス会社のセールスマン、スティーヴ(マット・デイモン)は、同僚スー(フランシス・マクドーマンド)と共に、経済危機に陥った田舎町に派遣される。ガス採掘のドリル作業を開始するために、その土地の人々を買収するのが目的だ。しかし地元住民への説明会の席で、元サイエンティストの学校の教師が危険性を指摘。さらには環境保護者のダスティン(ジョン・クラシンスキー)の出現によりスティーヴの買収計画は暗礁に乗り上げる。

ガス会社のセールスマンの葛藤を描くヒューマン・ドラマ
マット・デイモンが主演、製作、共同脚本を務め、予定していた監督をスケジュールの都合からガス・ヴァン・サント監督に委ねました。
マット演じるスティーヴは、自身が経済破綻をきたした田舎の出であることから、彼は天然ガス事業が田舎町の経済を潤すことを確信し、土地を助けたいという思いがあるんですね。
ところが環境汚染を危惧する土地の知識者の反対に遭い、地元住民はガス会社を誘致するかどうかの判断を、3週間後の投票で決めることにする。映画はこの期間のスティーヴの葛藤と心の変化を描くもの。

ここで扱う天然ガスというのが、採掘法が改善されて以来、石油や石炭に代わる新たなエネルギー資源として注目を浴びるシェールガス。一方で環境汚染が問題にもなっているため、映画がどこまで環境問題を暴くのかに注目し、鑑賞しました。

セールスマンとして、一人の人間としての主人公の葛藤、土地を愛する地元住人の思いなど静かに描かれるヒューマンな部分は悪くないです。
ヴァンサント監督らしいピュアな映像と音楽とともに描かれ、観やすいし美しい。
マットもアクションものより、こういうヒューマンドラマが似合う役者だと思います。


↑郷に入れば郷に従えということで、地元ファッションに身を包むことから始めるのが可笑しいw

ただ、ガス採屈で具体的にどんな環境汚染が起こるのかを明示していないところが、期待したものと違いました。スティーヴ自身が環境問題をどこまで把握しているのにも言及してないため、観ていてどうもすっきりしない。天然ガスによる危険性を仄めかしてはいるものの、メッセージとしてはとてもマイルドといわざるを得ず、何かの規制がかかったのかなぁなどと想像しちゃいますね。




共同脚本を務めたジョン・クラシンスキーエミリー・ブラントの旦那様ですね)が、環境保護を訴える反対派(?)ダスティンを演じてます。

 

トラックバック一覧

  1. 1. ガス・ヴァン・サントの『プロミスト・ランド』: 悪魔との取引?

  2. 2. 「プロミスト・ランド」

    • [ここなつ映画レビュー]
    • September 17, 2014 13:14
    • 心から素晴らしい作品だったと思える。生い立ち、思い出、プライド、仕事に対する姿勢、積み重ねた生き方…そんなものをまとめた自分自身という名の胸倉を掴まれ上に持ち上げられ、ぐらぐらと揺らされた挙句にパッと手を放されたような感じ。パッと突き放された割には余韻が
  3. 3. 映画『プロミスト・ランド』を観て

    • [kintyre's Diary 新館]
    • November 15, 2014 10:25
    • 14-71.プロミスド・ランド■原題:Promised Land■製作年、国:2012年、アメリカ■上映時間:106分■料金:1,100円、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)■鑑賞日:9月1日 □監督:ガス・ヴァン・サント□脚本・製作:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー◆