小間使の日記
小間使の日記(1963)フランス/イタリア原題:LE JOURNAL D'UNE FEMME DE CHAMBRE監督:ルイス・ブニュエル
今日は、ジャンヌ・モロー主演の『小間使の日記』
モロー演じる小間使いセレシティーユは片田舎の貴族の家に働きにやってきます。
屋敷の奥様は、これは高いから壊すなだの、口うるさい
妻におされ気味の主は小間使いにも手を出す色情狂で、老主人は足フェチ
一家は隣に住む軍人上がりといさかいが絶えない
お高くとまってはいても中身はこんなに病んで醜い というブルジョワたちの生活を、
ブニュエルはセレシティーユの「家政婦は見た」的視線でシニカルに描いています。
面白いのはちょっと危険な下男の存在。
彼はセレスティーユに、自分と同じ匂いを感じている。
パリからきたセレスティーユは、小間使いにしては都会的で洗練されてもいる
けれども、小間使いは主に動物のようにこき使われ、さげすまれるだけの存在でしかないのも分かっている。
そんな彼女が、何に幸せを見出そうとするのか興味深かったのだけど
結局彼女の選んだものが、尽きることなき倦怠と憂鬱を残すのみなのが切なく
ブルジョワたちと同じ、腐った日常に身をおとすのかと思うと、それも皮肉。
ジャンヌ・モローのドライな美しさがセレスティーヌによく合ってました。
マリオン・コティヤール主演で映画化も予定されてるとのこと
比べてみるのも面白そうです。