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映画ノート

ピアニストを撃て






ピアニストを撃て(1960)フランス
原題:Tirez Sur Le Pianiste/Shoot the Pianoplayer
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:シャルル・アズナヴール、マリー・デュボワ、二コール・ベルジェ、ミシェール・メルシェ、アルベール・レミー



テレビで先週、今週と トリュフォーを特集してくれてるので、この機会に。


トリュフォー長編二作目の本作は、クライムサスペンスをちょっとオフビートにして、哀愁で味付けしてありました。

主人公のピアニストを演じるのがシャルル・アズナヴール
彼の名前を初めて聴いたのは、由紀さおりさんの『恋文』
「アズナヴール流しながらこの手紙を書いてます」という出だしのフレーズでした。





この映画の中では、トラブルはごめんだと言いながらも、悪行に手を染めた兄を匿う男シャルリ。
元は著名なピアニストでありながら、悲しい過去から逃れるためその地位を捨て
それでもピアノを捨てきれず、場末のバーでピアノを弾く男。

彼がヒッチコック映画さながら二事件に巻き込まれる本作は
アズナブールの静かな風貌が醸し出す哀愁に、オフビートなドタバタ劇を混ぜ込み
おしゃれなピアノ曲で味付けしてノワールで締めくくる。
名監督の初期の作品ならではのミックス感が面白い風合いの作品でした。


それにしてもアズナブールの周りには、美しい女性が寄ってくるものです。

ラストシーンには、ちょっとした恋の予感を漂わせつつ
「俺に近寄ると危ないぜ」とでも言うような、
クールさと切なさの入り混じるアズナブールの表情が印象的です。



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Tracked from 字幕映画のススメ at 2013-07-21 01:22 x

タイトル : 女運の悪い男 『ピアニストを撃て』
1960 (C) Cocinor 「夜がくるのは止められないわ、だんだん暗くなるのだけ」 「もうそこから出られないのよ」 『 ピアニストを撃て 』(1960) TIREZ SUR LE PIANISTE フランソワ・トリュフォー の長編第二作は、彼が愛してやまないアメリカ映画、 ヒッチコックニコラス・レイ、ハワード......more