デッドマン・ダウン
今年はイザベル・ユペールの出演作品が日本で5本公開されるんだそうです。これは凄いことですよね。
シャブロルやハネケ作品でおなじみのユペール
今彼女が求められるのは何故か。
この機会にその魅力を探るべく、ユペールの出演作品を観てみようと思います。
まずは、秋に公開予定の本作から。
デッドマン・ダウン(2013)アメリカ原題:Dead Man Down
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のニールス・アルデン・オプレヴ監督のハリウッドデビュー作品です。
コリン・ファレル演じるビクターは、ニューヨークのギャングのボスの右腕的存在。
実はあることから組織に恨みを持ち、ビクターはひそかに復讐計画を実践しているんですね。
そんな彼が知り合うのが、アパートの向かいに暮らすベアトリス(ノオミ・ラパス)。
交通事故で顔に傷が残ってしまったベアトリスは、ビクターと「復讐」という共通項で繋がっていくのです。
組織内に潜入しつつ、ひそかに脅しをかけボス(テレンス・ハワード)を追い詰めていくコリンは静かな怒りを秘めた悲しきアウトローが似合いますよね。
一方ノオミ演じるベアトリスは、復讐に身を焦がし、本来ある人間性さえなくしかけた女。
そのベアトリスをかろうじて救っているのが、ユペール演じる可愛らしい母親です。
でもね、これユペールじゃなくてもいいわぁ。
聴力障害という設定や、ユペールを起用したことが後半きっと意味を持ってくるだろうという期待は裏切られ物足りなさを感じます。
一度は出演を断ったユペールにノオミ・ラパスが長いE-mailを書き説得したようだけど。。
ふむ、名前で映画に格を添えた以外に、彼女の価値を感じられなかったのが残念ですよ。
ナタリー・バイとか、フランス語を喋るおっとり系の女優さんはいくらでもいると思うんだけどね。
静かなスリルにグロテスクなバイオレンスが盛り込まれているのはミレニアムの監督らしいところ。
そこにちょっぴり恋愛風味を加味したいという狙いは分かるけど
個人的にノオミに魅力を感じないのもあって、ロマンス部分にときめきはなかった。
何かとリアリティに欠け、ユペールの使い方にも不満を感じるけれど
コリンファンなら一見の価値あり。
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