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映画ノート

ランナウェイ/逃亡者




『手錠のまゝの脱獄』から、もうひとつ「逃亡」繋がり
ロバート・レッドフォード監督&主演で、元過激派メンバーの逃走を描く『ランナウェイ/逃亡者』です。
ランナウェイ/逃亡者(2012)アメリ
原題:The Company You Keep
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォードシャイア・ラブーフジュリー・クリスティテレンス・ハワードリチャード・ジェンキンスアナ・ケンドリック、 ブリット・マーリング、 スタンリー・トゥッチニック・ノルティクリス・クーパースーザン・サランドン
日本公開:2013/10/5
かつて世間を騒がせた過激派、ウェザーマンのメンバーの一人(スーザン・サランドン)が、30年のときを経て逮捕された。これに興味を持った若き新聞記者ベン(シャイア・ラブーフ)が調査に乗り出し、弁護士として暮らすジム(ロバート・レッドフォード)がメンバーの一人であることを突き止める。


日本でも学生運動赤軍が世間を騒がせていた頃、世界の各地で若者が政府に反対する活動を起こしていた。やがてムーブメントも終わりを告げ、多くの若者も振り上げた拳を下ろし、世間に同調していくのですが、犯罪者として追われる身となってしまっては、そうはいかない。
ロバート・レッドフォード演じるジムは、ベトナム戦争に反対し行動した元過激派グループウェザーマンのメンバーですが、銀行強盗の際に警備員を死なせた罪で30年間FBIに追われているのです。
名前を変え今は弁護士として、11歳の娘とともに暮らすジムの元に、新聞記者ベンがインタビューにやってきたことから、ジムは逃走を始めるという話。



まず、レッドフォードらしいまじめな社会派サスペンスですね。
逃走劇といっても、カーチェイスなどのアクションに走ることなく
過激派として生きた人間の葛藤を、ベテラン俳優陣を惜しげもなく投入し描いています。
特に冒頭のサランドン姐さんの逮捕劇から見ごたえ十分で
登場時間は短いながらも、30年間の逃走に疲弊し、心の平安を求めつつも、
何かを変えようと生きた自分を受け入れるサランドンの渋い演技には舌を巻きました。

真相に迫っていく若き新聞記者ベンを演じるシャイア君もいい。
描く視点によっては、頭の切れるベンの大活躍ということになるのだけど
この映画では、彼は英雄にはなれない。
ベンはジェネレーションギャップの象徴でもあり、その対比によって、ムーブメントの時代を生きた人々の思いを浮かび上がらせるというレッドフォードの演出もうまいです。

ただ、もうひとつその存在感があやふやなのがレッドフォード自身。
ジムの逃走の目的が途中までピンとこないのは、意図されたものであるとして
結果として彼の求めたものにちょっと白けるというか・・。
結局自己チューやん と思ってしまったのは私だけかな。




しかもレッドフォードっていくつやねん。
11歳の娘の父親というのに、絵的にも無理があったし
申し訳ないけど、歳とったレッドフォードは魅力に欠けて見てて辛い。
ジョギングする姿なんて正直、幽体離脱中の抜けがらか、ゾンビに見えたわ。
逃走に備え老体に鞭打ってトレーニングするという痛々しさは出ていたけれどもね。

劇中 ジュリー・クリスティに「歳より老けて見える」と言われていて、
うんうんと大きく頷いてしまった。監督に専念するほうがいいかも。


ということで、今日はこれから映画を観てきて
明日は「幽体離脱」に繋げますw
何を観るか見え見え?(笑)