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映画ノート

ブリングリング





今日も東京国際映画祭関連
ソフィア・コッポラ監督が、高級住宅街のセレブ宅を狙った高校生窃盗団を描く、青春物語です。

ブリングリング(2013)アメリカ/フランス/イギリス/日本/ドイツ
原題:The Bling Ring
監督:ソフィア・コッポラ
出演:エマ・ワトソン/ ケイティ・チャン/ タイッサ・ファーミガ/イスラエル・ブルサード/ クレア・ジュリアン/ ギャヴィン・ロズデイル/ ジョージア・ロック /レスリー・マン
日本公開:2013/12/14
ロス郊外の高級住宅地に住むニッキー(エマ・ワトソン)ら4人の少女らは、セレブに強い憧れを持っている。
スターの行動をSNSで知った彼らは、留守を狙い邸宅に侵入し、ブランド品をせしめることに成功。
味をしめた彼らは、新入生のマークとともに犯行を重ね・・

これ実際にあった話で、少女らが盗んだ金品の総額が3億円というから驚きです。




実際に被害にあったのはパリス・ヒルトンリンジー・ローハンオーランド・ブルームといった面々。
パリス・ヒルトンは自宅をロケ地として提供していて、ブランド物の靴やバッグがズラリと並ぶクローゼットは壮観の一言。一般人版『マリーアントワネット』ともいうべき、「女の子の憧れ」の描写はソフィアらしいと思うところです。
少女たちはセレブが公の場で身に着けてたものを写真に撮ってはフェイスブックに投稿SNSのフォロワーが増えるのが嬉しかったりと、日本でも問題になってるけど、
ネットを介すことで、犯罪が実体のないもののようになっていく現在の若者の姿も垣間見せます。

正直、窃盗シーンの繰り返しには、もういいよと思ったし
ドキドキするシーンもあっさりめで、物足りなさを感じる仕上がり。
同じようなテーマを扱った『スプリング・ブレイカーズ』には虚無感とほろ苦い青春の痛みに共鳴したけど
本作の女子達にはまるで共感できない。
けれど、少女らの犯行に親が全く気づいてないところは注目すべきで
映画には、親とティーンのコミュニケーションのすれ違いがさりげなく描かれているので
そのあたり注意して観ると、多少面白く見れるかな。
どこまでがフィクションかは分かりませんが、メンバーの中の唯一の男の子が犯罪に加担する心理は分かりやすかった。

 それにしても、セレブのセキュリティってあんなに甘いものだろうか。
我が家でも不法侵入などあればアラームが鳴り警備会社に通報する装置は設置されてます。
尤も、今は契約してないから警備会社に連絡が行かないけど(笑)
そういうのあるだけでも防犯にはなるんですよね。



優等生役が多かったエマ・ワトソンが、偽善者面を装いながら、無軌道に欲望をむさぼるビッチなニッキーを演じ、新しい顔を見せてくれますね。一瞬だけど、ポールダンスも披露w
ガーリーカルチャーを牽引するソフィアらしい一本と言えるかもしれません。

タイトルのブリングリングとはキラキラ光る指輪という意味があるようで
犯行グループの呼び名に使われてました。