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映画ノート

【映画】 プリズナーズ




「誘拐」シリーズの目玉はこれ

ヒュー・ジャックマンが娘を誘拐された父親を、ジェイク・ギレンホールが事件を捜査する刑事を演じ
灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督したサスペンス・ドラマ『プリズナーズ(原題)』

プリズナーズ(2013)アメリ
原題:Prisoners
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールテレンス・ハワードポール・ダノヴィオラ・デイヴィスマリア・ベロメリッサ・レオ
日本公開:2014/5・3
田舎町で大工を営むケラー(ヒュー・ジャックマン)一家は、サンクスギビングを友人(テレンス・ハワード)宅で過ごしていたが、その最中、外で遊んでいたはずの両家の娘が忽然と姿を消した。
警察の操作中、近くに駐車していたバンが急発進し木に激突。
運転していたアレックス(ポール・ダノ)が容疑者として逮捕されるが、証拠不十分で釈放される。
警察を出るアレックスに詰め寄るケラーに、彼は事件を仄めかす言葉を発するが・・・




昔から誘拐事件を扱う映画はたくさん作られてますが
刑事ものにしたときに、意外に置き去りにされるのが「被害者の親の気持ち」。
でも本作はヒュー・ジャックマンを父親に据えているところに普通とは違う臭いがするでしょ。
案の定、ヒューさまは自ら行動に出ます。
警察になど任せられるか。それがウルヴァリン魂です(笑)
かくして、独自のやり方で娘の居場所を突き止めようとするウルヴァリン・ヒュー

一方、ジェイク・ギレンホール演じる刑事ロキも捜査を進め
家族の切実な思いと、警察の焦燥が交錯します。
しかし途中から「タイトルのプリズナーズって誰?」と、気になってくるわけですねぇ。

少し複雑で説明も少な目。
私の理解不足もあって、ミステリーとしては疑問を残すところも出てしまいました。
しかし、一筋縄でいかない構成は秀逸で、謎を解き明かす醍醐味があります。

果たしてアレックス青年は本当の誘拐犯なのか。
ケリーの娘たちは無事に救出されるのか。





共演もアレックスを演じるポール・ダノはじめ、アレックスのおば役メリッサ・レオと曲者揃い。
しかしアレックスはダノ君でなくてよかったかなぁ。
体格が良すぎるところなど、少し違和感があったので。

一見ハッピーエンドのようでいて、そう見せないエンディングに
改めてこの映画のタイトルが頭に浮かびます。
本当の正義とはなんなのか
暴力を容認することは罪ではないのか・・。
そう思うと、登場人物の誰もがプリズナーに思えるのです。

サイコサスペンスでミステリーを巧妙に見せながら
ゼロ・ダーク・サーティ』に通じるテーマを盛り込む問題作です。
面白い!

ジェイクには惚れますわ。