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映画ノート

『早熟のアイオワ』:助演女優賞候補 ジェニファー・ローレンス




ジェニファー G・G助演女優賞おめでとう~!



今日は『アメリカン・ハッスル』の演技でアカデミー賞助演女優賞候補ジェニファー・ローレンスの作品から、2008年製作の『早熟のアイオワ』を観ました。
ジェニファー初主演作であり、クロエちゃんとの共演も話題で、日本でも2月に公開が予定されています。
早熟のアイオワ(2008)アメリ
原題:Poker House
監督:ロリ・ぺティ
出演:ジェニファー・ローレンス / ボキーム・ウッドバイン/ソフィア・ベアリー/ クロエ・グレース・モレッツデヴィッド・アラン・グリアセルマ・ブレア
日本公開:2014・2・22

1976年。アメリカ・アイオワ州の小さな町にある『ポーカー・ハウス』と呼ばれる不法居住者の家では、夜な夜なポーカー賭博や売春が繰り広げられている。ヤク中で売春婦の母親サラ(セルマ・ブレア)と二人の妹(ソフィア・ベアリー&クロエ・グレース・モレッツ)とその家に暮らす14歳の少女アグネス(ジェニファー・ローレンス)は、妹たちを守りながら毎日を懸命に生きていた。しかし、そんなアグネスにさらなる追い打ちをかける出来事が起こり・・

監督のロリ・ぺティは『プリティ・リーグ』などに出てる女優さんらしいのですが、本作は彼女の自伝とのこと。
麻薬、売春、家庭内暴力、レイプ、貧困と、本作で描かれる世界は悲惨です。
日本では学校にも行かず、これほど劣悪な環境で暮らす子供はあまりいないのではと思うし、ピンと来ないところもあるけれど、麻薬がはびこり、離婚率も高いアメリカでは、まれなケースではないのかもしれない。
実際、この映画がプレミア公開されたときには、同じような体験をした女性たちが監督に「映画を作ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えようと列を作ったのだとか。
監督はこの映画が多くの女性の励みになっていることに驚いたと言います。

初監督ということもあり、無駄な笑いを取るようなシーン等、気になるところはあります。
アグネスのモノローグで必要以上に心情を説明するのもいただけない。
黒人男性とのキスの味を説明するのとかやめて欲しかったしね(笑)




それでもキャストがよくて演技を楽しみました。
まだ初々しいジェニファーは、しっかり者だけど、まだまだ誰かの力が欲しい14歳を繊細に演じていて本当にうまい。母親役のセルマ・ブレアも痛々しいまでに悲しきジャンキー母を熱演。
末の妹役のクロエちゃんは顔芸ともいうべき豊かな表情がまた可愛くてね。
彼女らをキャスティングしただけでも、この映画は成功。

自分では太刀打ちできない力により傷つき苦しむことがあったとしても、私たちはその過去に人生を左右される必要はない。その気で努力すれば道は切り開いていける
監督自身が実践し形にしているだけに、力強いメッセージとして伝わりますね。
全てが込められたラストシーンも微笑ましく、清々しい気持ちで観終えました。