しまんちゅシネマ

映画ノート

ザ・イースト



今週末日本公開の作品から、今日は『ザ・イースト』を観ました。


ザ・イース(2013)アメリ
原題:The East
監督:ザル・バトマングリッジ
出演:ブリット・マーリング/ アレキサンダー・スカルスガルドエレン・ペイジパトリシア・クラークソン/ トビー・ケベル/ シャイロー・フェルナンデス/ オルディス・ホッジ
日本公開:2014/1/31
パンのお話・・じゃなくて
環境テロ組織に潜入する元FBIエージェントの葛藤を描く作品です。




グローバル企業を顧客に持つセキュリティ会社に雇われたジェーンに与えられたのは、環境テロ団体イーストの正体を割り出すこと。サラと名乗り組織に潜入することに成功したジェーンは、組織でメンバーと生活を共にするうち、彼らの考えに感化され、任務と正義との狭間に揺れることになる・・ 

サラ(ジェーン)を演じるのは『アナザープラネット』のブリット・マーリング
監督のザル・バトマングリッジとは『Sound of My Voice』に続いてのタッグですね。
今回も二人で脚本を書いてます。

冒頭、石油まみれの海鳥が映し出され、続いて石油会社CEO宅の窓から石油が流されるシーンなどは、本物のニュース映像でしょうか。
新鋭バトマングリッジとマーリングのコンビは、今ある社会問題をスリラーに変えることに長けています。
環境を冒しつつ成長する企業にどう警告し制裁するのか。
テロは正しい手段なのか。そんな疑問を投げかけつつの二時間弱。
テロ現場のスリルと、潜入捜査のスリル、さらに終盤には思いがけない戦慄も用意され
インディーズ作品らしからぬエンタメ性で見せきる手腕はなかなかのもの。



証券会社の才女的演技から抜け出し、女スパイを演じたマーリングは新境地。
サラは組織に入ることで、これまでとまるで違った目で世界を見ることになるのです。テロ組織のリーダーを演じるアレキサンダー・スカルスガルドは繊細さと底知れない怖さを併せ持つベンジーを好演。テロの首謀者が生まれる背景も興味深いところでした。組織のメンバーにエレン・ページ、セキュリティ会社の社長 にパトリシア・クラークソンと名のある二人がシリアスに脇を固めています。製作にはリドリー・スコットトニー・スコットも名前を連ね、もはやインディーズとは言えないのかな。

つなぎの部分をあまり説明しないので、「ん?」と思うこともあったけど、後に説明されるからいいかな。
ただ、エンドロールに収めてしまったシークエンスはもう少し説明したほうが万人に分かりやすいかも。

人があまり切り込まない部分に問題提議するという点で
今後の活躍も注目したいフィルムメーカーには間違いないですね。