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映画ノート

『ミッドナイト・ミート・トレイン』:ブラッドリー・クーパー




オスカーシリーズに戻りましょう。
今日は『アメリカン・ハッスル』で助演男優賞にノミネートされたブラッドリー・クーパーの2008年の未公開ホラー。クライヴ・バーカーの原作小説の映画化『ミッドナイト・ミート・トレイン』です。
ミッドナイト・ミート・トレイン(2008)アメリ
原題:The Midnight Meat Train
監督:北村龍平
出演:ブラッドリー・クーパーレスリー・ビブヴィニー・ジョーンズロジャー・バートブルック・シールズ

【ストーリー】
売れない写真家のレオンは、ある日チンピラに囲まれた女性を助けるが、翌日女性が行方不明になったことを新聞で知る。レオンは写真に収めたある男の関与を疑っていた。


北村龍平監督のハリウッドデビューとなるスラッシャー・ホラーです。




ブラッドリー・クーパー演じる主人公のレオンは、ブルック・シールズ演じるご意見番アーティストに助言され、生を感じられる写真に挑もうとしている矢先、失踪事件に間接的に関わるんですね。
偶然遭遇した「奇妙なオーラを発する大男」に暴力的な何かを感じ、失踪事件との関係を疑いつつ、被写体として男を追い回す。
もう、ブラッドリーが危なっかしくてね。愛する恋人(レスリー・ビブ)との将来や、写真家としての成功が目の前にチラつく上に、変な正義感があって、気づけばとんでもない事態に自分を追い込んでるわけ。

最初に書いたように、これかなりスラッシャーなホラーでして、
案の定男は走る列車の中で、乗客を血祭りに上げていく。血しぶきどころか首も目玉も飛ぶんですな。
しかし、勝手にシリアルキラーものと思ってたら、そんなありそうな話じゃ全然なくて、ちょっとびっくり。後味はマイケル・ウィナーの『センチネル』に似た感覚かな。




本作のブラッドリー・クーパーはほぼ出ずっぱりで、アクションからベッドシーンまで大活躍(笑)
そして、そのブラッドリーを食っちゃうのが謎の大男マホガニーを演じるヴィニー・ジョーンズ
スーツにネクタイ、刈り上げといういでたちで、鞄片手に昼間は肉屋で働き、夜は地下鉄で人気のない列車を待つ男。雑踏の中にいても異様さが際立つジョーンズの存在感が凄い。

すばやいアクションシーンがちょっと見にくかったけれど、主要な登場人物の動機がちゃんと描かれていて、この手の映画にしては良く出来た作品だと思います。
ポスター、今ならブラッドリーを使うだろうな。