赤狩りとエリア・カザン(アカデミー授賞式動画)
『ウディ・アレンのザ・フロント』をTV録画から見たときに
TCMのホストがエリア・カザンについて語っていました。
エリア・カザンは『欲望という名の電車』や『エデンの東』などの名作を排出し
50年代に名を成した監督さんですが、赤狩りの波が吹き荒れた際に
数人の映画仲間を共産主義者として通報したことで知られています。
多くの映画人のキャリアを奪い、かつそのこと後悔していないと公にしたことで、
生涯ハリウッドの嫌われ者となったようですね。
それゆえ、1999年にアカデミーにより生涯功労賞を授与された際には
物議を醸したようで・・・
プレゼンターはマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ
カザンの後ろに隠れてしまっているスコセッシに、
任務を仰せつかったものの、心から祝福できないという気持ちが窺えたり(笑)
会場を見てみると、立ち上がって拍手を送る人がいる反面
憮然とした様子で椅子に座ったままの人の姿も見受けられます。
エド・ハリスとそのお隣は奥様でしょうか。
ニック・ノルテなんて腕を組んで「絶対に拍手するか!」という険しい表情。
カザン自身、スピーチで「アカデミーの勇気と寛容に感謝する」と述べていて
以後の映画人生が平坦ではなかったことを感じさせますね。
彼もまた、マッカーシズムの被害者だったのかもしれません。