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映画ノート

【映画】 『きっと、星のせいじゃない。』さよならを待つふたりのために



きっと、星のせいじゃない。(2014 )アメリ

原題:The Fault in Our Stars
監督:ジョシュ・ブーン
出演:シャイリーン・ウッドリー/アンセル・エルゴートローラ・ダーン/ナット・ウルフ/ウィレム・デフォー
日本公開:2015/2/20

16歳のヘーゼル(シャイリーン・ウッドリー)は13歳のときに癌を発症し、奇跡的に回復するが今も酸素ボンベを手放せない。
オーガスタス(ガス)(アンセル・エルゴート)は骨肉腫で右足の膝から下を切断した18歳の少年。
2人はサポート会で知り合い互いに惹かれあうが・・

ジョン・グリーン原作のベストセラーヤングアダルト小説「さよならを待つふたりのために」の映画化です。

癌を患ったティーンエイジャーの恋ということで、泣くんだろうなぁと、公開から今まで少し観るのを躊躇していました。

実はチケットを買うときに「クリネックスティッシュ)持ってる?」と訊かれて困惑したんですよね。
一瞬『40歳の童貞男』が浮かび、「wha・・What for?(な、なんに使うの?)」と間抜けな質問をしちゃった。
「泣くと思うよ。悲しい映画だから」と言われて「あー、大丈夫ハンカチ持ってる」と応えた私w
頭の中見透かされなかったかしら。恥ずかしい~(笑)
日本人的には涙を拭くのはハンカチですから!w




 闘病生活3年目のヘーゼルは泣き叫んだり攻撃的になることもないけれど自分の将来に希望がないことは分かっていて、
どこか冷めた目で学校生活を送っています。
そんな彼女は母(ローラ・ダーン)に勧められいやいや行った癌友の会でガスと出会うんですね。
あっという間に惹かれあう2人。
穏やかでいて明るく、あっけらかんと義足の足を見せるガスにいつしかへーゼルも前向きな気持ちを貰っている
。2人のやり取りが微笑ましくて、これが永遠であって欲しいと願わずにいられないのだけど、
やがて厳しい現実はやってくるんですよねぇ。

こう書くとありがちな泣かせ映画みたいだけど、ちょっと違うのはこの映画が死を迎える過程の中でも
主に受容の段階にスポットを当てているから。
へーゼルには好きな小説があって、ある物語の結末をどうしても知りたい。
それは小説の主人公に自分自身を重ねているからで、
彼女は自分の死を愛する人たちがどう受け止めるのかを知らずにおれないわけです。
死を宣告された直後を描く難病ものと違うのはそのあたりで、死を迎えるもの、
それを受け止め見送るものそれぞれの心理が丁寧に描かれているところが秀逸でした。

とにかくシャイリーンがいいですね。
ガスに惹かれていくへーゼルの表情を見ているだけで胸がいっぱいになる。

”遅かれ早かれ、死は誰にもやってくる。
死を恐れて何もしないより、出来ることを探すことで毎日はより輝く”
そんなメッセージも特に新しいわけではないけれど、登場人物たちの魅力が映画を100倍輝かせてました。
監督の監督のジョシュ・ブーンは30代の新鋭とあってポップな演出に若さを感じます。
(500)日のサマー』のお二人によるビタースィートな脚本は現実に目を背けないのがいい。

IMDb8.5と高評価(個人的には7点台)。
全世界76カ国で公開日が決まってるけど、日本は予定なし かな。


<11/21 追記>
日本公開が来年2月に決まったようです。
サントラもいいよ。