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映画ノート

【映画】  ザ・バッグマン 闇を運ぶ男




滝汗シリーズお休みして今日は近日日本公開の『ザ・バッグ・マン 闇を運ぶ男』を。

ザ・バッグマン 闇を運ぶ男(2013)アメリ
原題:The Bag Man
監督:デヴィッド・グロヴィック
出演:ジョン・キューザックレベッカ・ダ・コスカ/ロバート・デ・ニーロクリスピン・グローヴァー
日本公開:2014/7/5
ジョンキュー演じる殺し屋ジャックはボスにバッグを運ぶだけの仕事を依頼される。
「宅配に頼めばいいのに何で自分やねん」とごねてみるものの
「金出すんだから黙ってやりゃいいんだよ」とボスのデニーロはけんもほろろ
しかも「バッグの中身は絶対に見るなよ」だと。
指定されたモーテルで落ち合いバッグを引き渡す
それだけの仕事のはずが、とんでもないトラブルに巻き込まれることに・・


俳優出身のデヴィッド・グロヴィックが脚本を書き、初監督を努めたアクション・スリラーです。

取引先に指定されたひなびたモーテル。ここがやたら怪しい。
途中殺し屋仲間に襲撃までされ、静かに落ち着きたいジャックの前に現れる娼婦風の美女レブカ(レベッカ・ダ・コスカ)。傷の手当をしてもらい恩を作ったのが運の尽き。
ジャックは女を匿うはめになり、トラブルはトラブルを呼ぶことに。
 
誰が敵で誰が味方かわからない状況の生み出す緊張感の中、
何故ボスはジャックに仕事を依頼したのか
はたまたバッグの中身は何なのかをミステリーとして見せるつくり。
異次元の世界に入り込んだようなモーテルで、怪しい奴らが次々に現れるのは『サイレント・ヒル』を髣髴とさせるし、一昔前風のメローな音楽や青い照明の使い方、ヴァイオレンスにそこはかとないユーモアを漂わせるあたりはレフン監督の『オンリー・ゴッド』を思い出します。悪夢的な登場人物は『マルホランド・ドライブ』、あとは『サイコ』に 極めつけは・・・、おっと これは言わないでおきますが、
とにかく色んなカルト作品がミックスされてます。

正直、終盤にジョンキューが「バッグの中身は何だ」と追求するのも唐突に感じたし、ボスの行動にも説得力がなく、脚本はあまり褒められない(笑)
トマトメーターも10%と世間の評判が悪いのも仕方ないかもと思うところだけど、メローな音楽も相まって一昔前のノワールといった趣なのは良かったし、癖になる可笑しさもあって私は好き。

ジャックがレブカとの距離を縮めていくさまは微笑ましく、ジョンキューはやっぱりサイコな役より優しさをにじませてくれるほうな似合ってていいですよね。
最高なのはモーテルの受付役のクリスピン・グローヴァー
完全にジョンキューを食ってました。



デ・ニーロがスコセッシに見えたのは私だけかなw
画面が暗いシーンが多いのは残念。

ちなみに監督は終盤弁護士役で登場します。