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映画ノート

【映画】『LUCY/ルーシー』:超越するスカヨハ




リュック・ベッソン監督、スカーレット・ヨハンソン主演の『LUCY/ルーシー』を初日鑑賞しました。
LUCY/ルーシー(2014)フランス
原題:Lucy
監督/脚本:リュック・ベッソン
出演:スカーレット・ヨハンソンモーガン・フリーマンチェ・ミンシク/ アムール・ワケド/ アナリー・ティプトン
日本公開:2014/8/29

映画によると人の脳は10%しか使われてないらしいですね。
ベッソン新作は「人間の脳が100%機能したらどうなるのか」を見せるSFアクションです。

スカーレット・ヨハンソン演じるルーシーは台湾に暮らすごく普通の女性。
ある日彼女はマフィアの新種ドラッグの闇取引に巻き込まれます。
アクシデントでドラッグが体内に入ってしまったルーシーの脳は異常に活性化し始めるんですね。


目的を果たすべく動き出すスカヨハと、ドラッグを奪還しようと追うマフィア。
ベッソンらしいカーアクションにアジア人マフィアのゴアがコラボし見せ場は押さえています。
ただ残念なのはそこにスリルが生まれないこと。
活性化したルーシーが強すぎて危機感がない(笑)
しかし、スカヨハはどこにでもいる普通の女の子から、超越な能力を獲得していくルーシーのそれぞれの過程を明確に演じTス。彼女の七変化も見所で、スカヨハじゃなかったらもっと退屈してたでしょう(笑)




科学を説明する役割を果たす脳学者モーガン・フリーマンも らしい役どころ。
マフィアのボスチェ・ミンシク、警察の アムール・ワケドなど男性陣も渋く活躍しています。

ルーシーの向かう先は超絶過ぎて、背景にある科学には興味を通り越して呆然。
ラストシーンにはポカーンとなりますが、これもベッソン流の美学かな。
近年多くのSFが科学の発展に危惧するものであるのに対し、科学の起源、可能性に迫る本作は
トランセンデンス』と対極にある映画かもしれませんね。


余談ですが
ベッソンによると、彼は本作のアイディアを10年前に思いつき、学者と語りながら
科学的なプロットを構築してきたのだとか。
ただし、「人は脳の10%しか使ってない」というのは正確には証明されていないらしく
「人は全ニューロンの15%しか使っていない」という事実にアイディアを得たメタファーとのこと。
「嘘だけどそれが何か?映画なんだからいいじゃん」だそうです(笑)