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映画ノート

『拾った女』:「滝汗!サスペンス映画100」制覇シリーズ







拾った女(1953)アメリ
原題:Pickup on South Street
監督:サミュエル・フラー
出演:リチャード・ウィドマークジーン・ピータース/ セルマ・リッター/ リチャード・キーリー/ マーヴィン・ヴァイ/ ミルバーン・ストーン


ストーリー

スリのスキップは、ニューヨークの地下鉄で、一人の女性の財布をスリとった。ところがその中には、重要機密のマイクロフィルムが収められていた。スキップは次第に、当局と諜報組織のスパイ戦に巻き込まれていく…... 。



うわぁ。一ヶ月以上あいちゃった。
最近TVからの録画をDVDに焼くのに凝っちゃってまして(汗)
普段HDDに録画するタイプのTivoというDVRを使ってるんですが、
これが独自のファイル形式のため、DVDやPCなど一般のデバイスで再生するにはファイル形式を変えないといけないんですね。
その過程でクローズドキャプションが抜け落ちるなどの問題もあり、試行錯誤の末やっと納得できる形でDVDに焼けるようになり、バリバリと頑張ってるしだいです。
ブログさぼりぎみですが、ここも一応運営中ですので見捨てないでくださいね


前置きが長くなりました
滝汗サスペンスシリーズ・・滝汗の二本目は
サミュエル・フラー監督の50年代のサスペンス映画『拾った女』。
ある日、いい女のバッグから財布を盗んだら、その中に重要機密フィルムが入っていて、警察や諜報組織の絡む攻防に巻き込まれる・・・ という話。


本作でスキップを演じるのはリチャード・ウィドマーク
スリを生業とするアンチヒーロー的な男が主人公というのはめずらしいですね。
列車内でのスリのシーンは決して手際がいいと言えず、ちょっとどきどきするんですが冷徹で飄々としてはいるけれども情も頭も持ち合わせたスキップが時代の流れの中でスリに甘んじているという点で、全くのプロでない手際の悪さも逆に説得力があります。






バッグから財布を盗まれたヒロイン、キャンディは実は運び屋として利用されていただけ。
ジーン・ピータースは事件に巻き込まれながら、スキップに心惹かれていく蓮っ葉なヒロインを好演。スキップとの関係もちょっとロマンティックです。


でもこの映画で一番すばらしいのは、オスカーノミネートされた情報屋モーを演じたセルマ・リッターでしょ。







ネクタイ売りをしながら、お金のために警察のタレコミにも協力する。
それでも、悪人には大金を積まれても口を割らない一本筋の通ったおばさん。
しけた鉛筆をなめながら、稼いだ小金をノートに書き込むのも
すべては誰にも迷惑をかけずに自分の葬式をあげるため・・。


時代を反映する警察と共産主義者との攻防などもありますが
都会の片隅に暮らす弱き者たちの生き様と、彼らの交わす情の描き方に心打たれる。


ちなみに邦題の「拾った女」って何かなw
スリを意味するPICKUPから来てるのでないといいのだけど・・