しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』




感謝祭が近づくと急に寒くなります。日本も寒そうですが、こちらも明日は氷点下の予想。
お互いに風邪に気をつけ乗り切りましょうね。
感謝祭といえば家族が集まり、伝統的な料理に舌鼓を打つのが慣わし。日本のお正月に近いかな。
というわけでここからは「映画で観る感謝祭」をテーマに感謝祭の集いを描く作品を、
それと感謝祭に係わらず「家族と食」をテーマにした映画もいくつか観ていきます。
まずはこちら。
シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014)アメリ
原題:Chef
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ジョン・ファヴローソフィア・ベルガラジョン・レグイザモスカーレット・ヨハンソンオリヴァー・プラットボビー・カナヴェイル/ エイミー・セダリス/ エムジェイ・アンソニーダスティン・ホフマン/ ロバート・ダウニー・Jr
日本公開:2015/2/28

ロサンゼルスの一流レストランで総料理長を務めるカール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)にとって、今日は著名な料理ブロガー(オリヴァー・プロット)に評価を受ける大事な日。しかしメニューに口を出すオーナー(ダスティン・ホフマン)のおかげで思うようなものを作れず・・・。

オーナーや評論家と衝突した末、自分らしい料理を出す夢を叶えるべく奮闘するシェフの姿を描くコメディ。
ジョン・ファヴローが久々にインディーズの世界に帰ってきましたね。
『アイアンマン』をヒットさせたあとでは、それなりのプレッシャーもあったようですが
家族の絆に重きを置いたハートウォーミングな一本に仕上がっております。

映画の主役はまずはお料理ですね。
出てくる食べ物が本当に美味しそうで、数々の料理シーンをこなしたファヴローお見事。
ビハインドシーンを見ると、ロイ・チョイさんというシェフに料理指導を受けたようですが
タトゥーを同じように入れてるところを見ると、ボディダブルとしても使ってるんでしょうね。
華麗な包丁さばきはロイさんだったのかな。



カールは離婚していて、別れた妻との間に男の子がいるんですが
父と子が距離を縮めていく過程で、この子役の男の子の表情がどんどんよくなっていくのが、映画を生き生きと楽しいものにしています。インタビューによるとファブロー自身の両親が離婚していて、この男の子は自分自身だと言ってます。三人の子供の父親であるファブローにとって、本作はまさに家族の物語なんでしょう。

『アイアンマン』繋がりでダウニーやスカヨハも登場。
ワンシーンながらわりかし時間を割いたダウニーとの会話は正直ちょっと退屈でしたがw

SNSを駆使するところなどは現代的な味付け。
批評家の辛らつなレビューにカールが抗議するシーンには
一ブロガーとして映画の感想を書く私自身もわが身を振り返るところがあったな。

超大作もいいけれど、ファブローさん、本来はこういう小さな作品で魅力を発揮する人かも。
父親として料理人として誠実に取り組む主人公を好演してました。
ただ、コメディ役者としては若干の陰があるかなと思わないでもない。
その点、ジョン・レグイザモが明るさを与える実にいい仕事をしてました。

とってもチャーミングで温かい映画だったけど、一つ文句を言うとしたら、汚かったフードトラックを最後まで磨き上げるのをレグイザモに任せたのはちょっと残念。
ここはみんなで力をあわせ、その感動を映画のテーマにかぶらせて欲しいところでした。