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映画ノート

【映画】『エヴァの告白』

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エヴァの告白 (2013)アメリカ/フランス
原題: The Immigrant
監督: ジェームズ・グレイ
出演:マリオン・コティヤールホアキン・フェニックスジェレミー・レナー/ダグマーラ・ドミンスク
 
1921年、戦火を逃れてポーランドからアメリカへと移住してきたエヴァは、病気の妹が入国審査で隔離されてしまい、自身も理不尽な理由で入国を拒否される。強制送還されそうになったエヴァは、彼女の美しさに見惚れたブルーノという男に助けられるが、ブルーノは移民の娘たちを働かせ、売春を斡旋するという裏社会に生きる男だった。

マリオン・コティヤールポーランドからの移民の女性を演じたヒューマンドラマです。

ヨーロッパをはじめ世界中の国から人々が移民としてアメリカにやってきた時代。
頼るもののない地で、財力もない者が全うに生き延びることなど容易ではなかったでしょう。
エヴァもほぼ身一つでやってきた女性ですが、彼女は美貌を持ち合わせていたことから、
ホアキン・フェニックス演じるブルーノの目に留まるわけです。


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あぁ、これは切なかった。
帰る故郷を持たないエヴァは、心細さに震え、売春婦に身を落とす自分を嫌い、
それでも、生きるために自分の血で紅を塗りビンタで頬を染める。
妹との再会を心の糧に、ブルーノを憎みながらも利用するエヴァ
でも美しさが周囲を翻弄することにもなり、エヴァは苦悩に苦悩を重ねることになるんですねぇ。
夢を抱くことは罪なのか、生きるために身を落とすことは、
はたまた美しいことは罪なのか・・(←言ってみたいがなw)


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エヴァがエゴイストに映るのか、この映画ももうひとつと感じる人も多いようだけど
私はエヴァの切ない思いと強さに胸を打たれました。彼らの間に確かに愛はあったと思うし。
マリオンは本当にうまいですね。
彼女の美しさに翻弄されるのがホアキンジェレミー・レナーで、二人がまたいいんだ。

監督は『リトル・オデッサ』『トゥー・ラバーズ』のジェームズ・グレイ
切実でいて、ロマンティックでクラシカル。

中堅実力派3人の演技も見ごたえあり、これは今年のマイトップ10に入りそう。


10本目のクリスマスソング、Shakin Stevens - Merry Christmas Everyone
今年のクリプレwはこれで打ち止めにします。