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映画ノート

【映画】ジャッジ 裁かれる判事


画像↑は2/3にロバート・デュヴァルが初ツイートとともにアップしたオスカーランチミーティングの写真です。(デュヴァルはどこだ・・。オプラくらいしか判りませんけどw)

84歳にしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートは快挙ですね。2/17にはタキシードを新調し「今日からアーモンドは一日2個にしなきゃ」とツイートしてたけど、もう通常に戻ったかな。

今日はロバート・ダウニー・Jrとの初共演も話題になった『ジャッジ 裁かれる判事』を観ました。




ジャッジ 裁かれる判事(2014)アメリ
原題:The Judge
allcinemaデータ


ロバート・ダウニー・Jr演じるハンク・パーマーは敏腕ながら、正義そっちのけに有罪者も無罪判決に導くいけすかない弁護士。一人娘を愛してはいるが夫婦は離婚の危機にある。
ハンクは母の葬儀のため久々に帰郷するんですが、地元で長年判事を務める父ジョセフ(ロバート・デュヴァル)は何かハンクによそよそしいんですね。
長年絶縁状態にあるものの、帰郷で父との交流に期待するものがあったハンクは、逆に傷つき、故郷を後にしようとします。しかしそんな彼に父が殺人の容疑で逮捕されたとの連絡が入る。弁護を申し出るハンクですが・・・


殺人の罪に問われた老判事の裁判の行方を描く作品です。
ジョセフはある事情から事件当時の記憶がありません。そのため裁判もその事実を踏まえた上で、ジョセフに殺人の意図があったかを争うことになります。
法廷映画の醍醐味は、目撃者の証言や物証を重ね、真実を明かしていくところにあると思うんですが、本作の場合「神のみが知る」的な事実に対し、無実を主張していく点が変わっていました。
有罪でも無罪を勝ち取るハンクが関わり、敏腕振りを垣間見せる部分は面白いですね。
息子の弁護に父が満足そうに頷いたり、次第に同じ道を究める者として父子の気持ちが近づいていく様子もいい。しかし、苦し紛れなのか、脚本がまずいのか、終盤ハンクの切り出す弁護は効果的とは思えません。仕舞いに裁判に父子の私情を交えるのはどうなんだろうと思ったし、核ともなるジョセフの「ある告白」も、ジョセフの頑固な生き様が反映されてるとは思うものの、一方で長年「法」に携わってきた者がそんな考えに至るのかなと釈然としないものも感じ、スッキリしないものが残ってしまいました。

勿論、映画はジョセフの無実を明かすというものでなく、裁判の過程を通し父と息子の確執をあぶり出し、その再生を描くところにあるのは理解出来るので、そこは文句言うところじゃないのかな。

判事として地元で長く務め、住民に父のように慕われるジョセフを演じたデュヴァルは本当に素晴らしかったし、やるせなさを迸らせる哀愁ダウニーも素敵で、父と息子の物語にはホロリとさせられました。
ただ、終に明かされる父と息子の確執の部分には「ふーん、そんなことなん」みたいな。
息子がひねるのは判るけど、父が息子を拒絶し続けるのは説得力に欠けるような。
昔の恋人(ヴェラ・ファーミガ)との絡みも無駄に時間をかけすぎ。しかもその結末って(笑)
色々描こうと欲張りすぎて、テーマが散漫になった気がするので、脚本練っていたらまた違ったものになったかも。役者がいいだけに もったいないな。