しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】トゥモローランド




原題:Tomorrowland
日本公開中
あらすじ
1964年、少年発明家のフランクはニューヨーク万博の会場で開催された発明コンテストに作品を持ち込むがあえなく却下。しかし謎の少女の導きでトゥモローランドに足を踏み入れる。
2014年、17歳のケイシーは、自分の荷物の中に見慣れぬピンバッジを見つけるが、そのピンバッジに触れた途端、彼女はたちまち未知なる世界へ紛れ込んでしまう・・

感想
賛否両論らしいので興味をもって観てきました。
本作はディズニーランドにある“トゥモローランド”が、ウォルト・ディズニーの夢を隠すカモフラージュだった!?という考えにヒントを得て作られたSFアドベンチャーです。
監督は『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のブラッド・バード



謎の少女に導かれ未知の世界に紛れ込んだ17歳のケイシー(ブリット・ロバートソン)。
タイムアウトで現実の世界に引き戻されたケイシーですが、どうしてももう一度そこに行きたい。しかしアテナと名乗るその少女は中年発明家のフランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)を連れて来たらねと条件を出す。そのフランクこそがかつてトゥモローランドを訪れていた11歳の少年の大人になった姿だった。

ということで、映画は、理想に燃える17歳のケイシーがフランクを説得してトゥモローランドを目指すという話になるんですが、二人は謎の敵に襲われたりしてこれが結構なアドベンチャー

お金をかけているらしいSFアクションはそれなりに迫力で、80年代、90年代風味も手伝って楽しめます。
ただ肝心な「トゥモローランド」の実態がわかりにくいやね。
映画の中ではエジソンなどの発明家や著名な建築家などがリクルートされ、理想郷を作り出そうとしていたと説明されるトゥモローランド
それ自体はワクワクするんですが、でも未来とも違うこのパラレルワールドが現実の世界とどう繋がるのかがピンとこず、気持ち的に宙ぶらりんになりながらの鑑賞になりました。


全体的に説明が少ないのはわざとなのかなぁ。
途中かなり想像力を働かせ、穴を埋めながら観なくちゃいけない。
結局全ての謎が解決はしない(私の理解力によるのかも)んですが、最後にはそれでもいいかと思えるんだからいいか(笑)

その昔、未来はいつだって理想が形になる夢の世界だった。
しかし、かつての構想が現実のものとなった今、果たして世界は「理想郷」となり得たか。否。
近年の日本を例にとっても、ドローン少年はじめ、インターネットが生み出した新しい人間関係や犯罪が問題になっています。開発者はそんな副産物など望んではいなかったでしょう。
地球温暖化しかり。
地球はあと何年その命を持続する事が出来るんだろうか。
そんなことを現実として考えざるを得ない状況。

でも未来を諦めてしまっていいの?
今何かすることはないの?と問いかける。
究極な楽観主義とも思えるけれど、夢を諦めない 
ディズニーの原点に立ち返り子供たちに希望を託す映画でした。

ラフィー・キャシディ演じる謎の少女アテナの存在感が良かったね。
ルーニー演じるフランクの長い間秘めた想いにはウルっとした。