しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】しあわせはどこにある



しあわせはどこにある(2014)イギリス/ドイツ/カナダ/南アフリカ
原題:Hector and the Search for Happiness
監督:ピーター・チェルソム
日本公開中

あらすじ
ロンドンに暮らす精神科医のヘクターは、患者たちの不満や悩みを聞き続けているうちに、自分まで何が幸せか分からなくなってしまう・・・

感想
サイモン・ペッグ主演で描くしあわせさがしの物語。

本作でペッグが演じるロンドンの精神科医ヘクターは完璧な恋人(ロザムンド・パイク)と完璧な暮らしを送っている。
しかし毎日患者の悩みや不満を聴き、患者を幸せにできないことにジレンマを感じるヘクターは自分自身の幸せにも自信がなくなってくる。

幸せってなんだ?
ヘクターはリサーチのため旅に出ることを決意する。


まずキャストが素敵ですね。
ペッグとロザムンド・パイクが恋人同士って合わないんでは?と思ったのだけど
ペッグは思いのほかカッコいいし、パイクはヘクターを好きでたまらないクララを可愛らしく演じていてこのカップルが微笑ましい。


でもヘクターの靴下用の引き出しからある写真をみつけたクララを見て
一瞬怖い思い出がよぎるんだよね(笑)

ま、そんな演出が狙ったものかどうかは不明ですが、
不穏な空気のたちこめる中、ヘクターはクララを置いて旅に出ます。




幸せのリサーチ。
旅でヘクターが発見していく人それぞれのしあわせには、深く考えなければホッコリ感動できる。
最後にヘクターがたどり着くところにも納得で、素敵なお話ではあるんですけど・・
本当に知りたいものが最後まで語られることなく終わってしまうため、もやもやが残ってしまったんだよねぇ。
っていうか、語られた?私が途中寝たのか?

子供の心を引きずる彼が、責任を果たす大人になることを恐れるのは理解できる。
でも冒頭の飛行シーンは何を意味するのか
ヘクターの幼少時代に何があったのか、母親との関係はどうだったのか
愛するものを失った経験が人を愛すことに恐れを感じさせているのか 等
彼が子供のまま成長しきれていないことに通じる理由を、もう少しだけ語って欲しかった。

それでもペッグはヘクターにぴったりで彼の存在感がかなり映画を引き上げているのは確か。センチメンタルに走りすぎるとは思うものの、渾身の演技に力量を再認識したしね。
豪華な共演者もそれぞれ適役でチャーミングな映画には違いない。
なので物凄く惜しいけど嫌いじゃないです。



2015/6/17投稿