【映画】未知空間の恐怖/光る眼
【作品情報】
未知空間の恐怖/光る眼(1960)イギリス
原題:Villege of the Damned
監督:ウォルフ・リラ
脚本:ウォルフ・リラ/ スターリング・シリファント/ ジョージ・バークレイ
出演:ジョージ・サンダース /バーバラ・シェリー /マーティン・スティーヴンス/ ローレンス・ネイスミス/ マイケル・グウィン/ リチャード・ワーナー/ジェニー・レアード/ピーター・ヴォーン
イギリスの静かな寒村で、住民及び家畜やペットまでが一斉に仮死状態に陥るという事件が発生。
被害は上空にも及び、住民たちはまた一斉に意識を回復。
その後の検査でも身体に異常はなく、何事もなかったかに思われたが
やがてそれは、村にセンセーションをもたらす。
女性たちが一斉に妊娠していたのだ。
身に覚えの内ものまでも!
【感想】
今月はハロウィン月ということで、レトロなホラー作品をいくつか観ていきます。
まずは、異星人による地球侵略をテーマにしたウォルフ・リラによるSFホラー。
ジョン・カーペンターが監督した『光る眼』('95)のオリジナルにあたる作品です。
先に、異星人による地球侵略と説明してしまいましたが
仮死状態に陥ってる間に女性陣は妊娠しており、胎児は異様な速さで成長。
不安な妊娠期間を経て産んだ子が揃って金髪で目つきが妙。
実は生まれてきたのは異星人だったという衝撃的な話です。
生後3年で12歳くらいの子供に成長し、並外れた知性を持つ彼らはどう見ても普通じゃなく
やがて周囲もほっておけなくなります。
地球に異星人を密かに増殖させる方法として
手間ひまかかる割りに効率が悪いこの手法を何故選ぶのか?ってのはつっこみどころ。
しかし妊娠や生まれてくる子供への不安をホラーにしてしまうのはセンセーションでもあり、
『ローズマリーの赤ちゃん』同様に多くの妊婦はじめ、子供を持つ親の不安を煽ったことでしょうね。
異分子という点では、自分たちの周りに共産主義者が潜んでいることの恐怖を描いたのかもしれません。
アクションホラーの印象の強かったカーペンター版に比べ、静かだけれど
子役たちの不気味さはこちらの方が勝っていて怖い。
ラストシーンに向けての一分一秒の緊張を、主人公夫妻の悲しみと共に描く演出も良かった。
ソ連による核攻撃による不安を盛り込んだところもこの時代ならではですね。