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映画ノート

【映画】ザ・ウォーク

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ザ・ウォーク
2015)アメリ
原題:The Walk
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス/クリストファー・ブラウン
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ ベン・キングズレー / シャルロット・ルボン /ジェームズ・バッジ・デール / ベン・シュワルツ他
日本公開:2016/1/23~


【あらすじ
綱渡りに情熱を捧げる曲芸師フィリップ・プティは、ツインタワー建設の記事を目にする


【感想
1974年にフランスの曲芸家フィリップ・プティがアなしとげた
”ツインタワーの間を綱渡りする”という偉業を再現するアクション・ドラマ。
監督はロバート・ゼメキスフィリップ・プティ役にジョセフ・ゴードン=レヴィット

2008年にアカデミー賞のドキュメンタリー賞を獲得した『マン・オン・ワイヤー』が面白かったので
ジョセフ君主演で映画化されると知って凄く楽しみにしてました。
でも気分が悪くなる人続出というニュースにひるんで劇場鑑賞を見送ってしまい・・大後悔です。
これは劇場で観るべきでした。

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命綱もつけずに(当時)世界一高いツインタワーの屋上(地上400メートル!)から綱渡りで移動する
どう見ても無謀にしか思えないのだけど
プティさんは幼い頃からの夢を果たすべくことに臨みます。

しかしそれは違法であり、秘密裏に行われるもの。
ビルに侵入しワイヤを張る段階で見つかれば計画は全ておジャンなわけで、
警備員をかわしながらの準備はハラハラドキドキの緊張の連続。

そして凄いのはワイヤウォークのシーンですね。
勿論実際にビルの間を歩いているわけではなく、背景をCG処理したものですが
ジョセフ君は本物のプティさんに指導を受け、低いながら実際にワイヤーウォークしてるらしいという’からビックリ。
自転車でマンハッタンを駆け抜けた『プレミアム・ラッシュ』でもジョセフ君の身体能力の高さは折り紙つき。
今回もバランス感覚、所作の美しさには驚くばかりでした。

ドキュメンタリーでは、地上からプティさんのワイヤー・ウォークを捉えた映像が少しだけ挟み込まれていて
豆粒のように小さい姿ではあるものの、まるで仙人を見るような美しさが感動的でしたが
1974年の出来事であり、近いところからプティさんを映像でとらえることは出来ていないんですね。
そういう意味で、ジョセフ君の表情や動きを細かに映し出す本作は、まさに見たかったものが見れたという感覚。

でも誰よりも感慨にふけったのは、プティさん自身だったのではないかな。

夢をかなえ見下ろすマンハッタンの街並み、地上から拍手を送る市民
全て懐かしくご覧になったことでしょう。

何よりも感謝の対象であるツインタワーがそこにない今、
プティさんだけでなく、マンハッタンの人々も、美しくそびえるツインタワーの映像に感動したと思いますね。
ラストシーンの見せ方も上手い。

911について映画の中で一切触れてはいないけれど、これはプティさんの偉業をたたえるだけでなく
在りし日のツインタワーを懐かしむ映画でもあるのでしょう。

プティさんに技術を提供した曲芸師を演じたベン・キングズレーが教えた「salute」。
これ日本語でどう訳せばいい?
敬礼とか、感謝のあいさつ・・そんな対訳で表現しきれないめいっぱいのsaluteを
ジョセフ君がワイヤー上で表現するシーンが美しく、静かな感動がありました。

3Dでご覧になった皆さんが「体感できる映画」と絶賛してますね。
さすがゼメキス。
殺人もカーチェイスもない静かなアクション映画です。

仲間との連携も見所の一つ。これは面白かった。

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