【映画】『シャンプー台のむこうに』-追悼:アラン・リックマン
アラン・リックマン先生が逝ってしまわれた。
ハリポタシリーズも終わり、これからはきっと監督業にも力を入れられるに違いないなど勝手に思っていたのに・・
デヴィッド・ボウイと同じ69歳。早すぎますね。
今日はリックマン先生の追悼に『シャンプー台のむこうに』を観ました。
シャンプー台のむこうに(2000)イギリス
原題:Blow Dry
監督:パディ・ブレスナック
脚本:サイモン・ヴォーフォイ
出演:ジョシュ・ハートネット / アラン・リックマン / ナターシャ・リチャードソン/ レイチェル・グリフィス/ レイチェル・リー・クック/ ビル・ナイ
【あらすじ】
イギリスの田舎町ヨークシャーのキースリーで全英ヘアドレッサー選手権が開催されることになった。
【感想】
アラン・リックマン先生は、息子(ジョシュ・ハートネット)と細々と理髪店を営むレイモンドを演じてます。
かつては大会で二連覇を果たしたこともある実力者のレイモンドですが、今は大会から遠ざかった状態。
同じくヘアドレッサーだった妻シェリーがヘア・モデルのサンドラと出て行って以来、仕事への意欲も失っていたのでした。
そんなレイモンドの元にシェリー(ナターシャ・リチャードソン)がやってきて、
癌に冒されているが治療を諦めたことを告げ、レイモンドにサンドラ含む家族で大会に出場しようと持ちかけるのです。
果たして大会は? 家族は絆を取り戻すのかという話ですね。
映画の見どころはリックマン先生の華麗なハサミ捌きと、大会出場者のユニークなパフォーマンス。
往年のライバルで今もカリスマ美容師として活躍するフィルにビル・ナイが扮してまして
『ラブ・アクチュアリー』のロックスターを髣髴させるドハデなパフォーマンスを披露してくれます。
でもこのフィルさん、トップであり続けるために色々ズルをしてまして、それも楽しい。
フィルの娘(レイチェル・リー・クック)とレイモンドの息子(ジョシュ・ハートネット)の恋物語は意外とあっさりなので
ポスターから思い描くものとは少し違いますね。
ちなみにジョシュは教会の死体のヘアカットのバイトで腕を磨いてます。
リックマン先生の、妻に去られ意固地になってるオッサンという役柄は今となってはかえって貴重だったかも(笑)
大会で見せるパフォーマンスは楽しめましたが、そんな髪型にされてもなぁではありましたw
すべては死を受け入れたシェリーが遺していく家族の幸せを望んだことから始まったこと
選手権を通じて、登場人物それぞれが問題を克服していくという前向きな語り口が爽やかでした。
群像劇風になった分、個々の心理の深いところまでは描けていないのは残念ですが
それでも今は亡きナターシャ・リチャードソンはじめ、出演者の演技はみな秀逸で面白く見ることが出来ました。
リックマン先生はこれから公開になる作品が2本あるとのことで、観るのが楽しみです。
どうぞ、安らかに。