しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】はじまりへの旅

captain-fantastic-poster-2.jpg  

はじまりへの旅(2016 アメリ
原題:Captain Fantastic
監督/脚本:マット・ロス
出演:ヴィゴ・モーテンセンフランク・ランジェラ/アン・ダウド/スティーヴ・ザーンミッシー・パイル/キャスリン・ハーン

【あらすじ】
現代社会から切り離されたアメリカ北西部の森で、独自の教育方針に基づいて6人の子どもを育てる父親ベン・キャッシュ。子どもたちは皆アスリート並みの体力を持ち、6カ国語を操ることができた。ところがある日、母が亡くなり、一家は葬儀に出席するためニューメキシコを目指して旅に出る。


マット・ロス監督によるアドベンチャーロードムービーです。

アメリカでは学校に行かず、ホームスクーリングと言って自宅で教育を受けるシステムが合法化されてます。公立学校の教師のとんでもない実態を描く『Waiting for 'Superman' 』なんてドキュメンタリーがありましたが、まともな学校がないから家で学ばせるというケースもあるんでしょうね。

この映画の場合、ヴィゴ演じるベンは無駄や無意味にあふれた世界を嫌い、世間から離れた森で子供たちにサバイバルの実践を学ばせています。哲学や語学なども教育して、長男などは有名大学にすべて合格する学力も。そんな彼らが病気療養中だった母レスリーの死を受け、葬儀に参加するために旅に出る。それはレスリーのある願いを叶えるためでもありました。

matt_ross_interview_3.jpg


これは面白かった。
特殊部隊みたいな特訓を受けた子供たちの身体能力の高さを見せる冒頭から新鮮。
ロードムービーへと移行する中盤からは、それまで一つの王国だった一家が、世間の目からどう見られるかを目撃することになります。ベンの妹夫婦の家族、レスリーの両親(フランク・ランジェラ&アン・ダウド)等からなどの視点を入れたり、子供たちの中からも自然に疑問が湧き上がったりで、一家を多角的にとらえているのが巧いところ。

ヴィゴは思わぬ現実を突きつけられたリ、挫折しながらも、子供たちの幸せを願う父親をユニークかつ人間らしく(すみません。いつもクールすぎるので)演じていて素晴らしい。
インディペンデント・スピリット賞やサテライト賞で主演男優賞にノミネートされています。

captain.jpg


サバイバル暮らしをする一家にしては子供たちが色白すぎて現実味がなかったですが、子役がみんな可愛く、衣装などがキッチュで目に楽しい。
長男役には『パレードへようこそ』で印象的だったジョージ・マッケイ。
ポスターなどに少しウェス・アンダーソンっぽさがあるけど、そこまでふわふわじゃないのは好み。
家族の物語としてもあたたかく見ごたえがありました。



日本公開は来年の4月です








<script type="text/javascript" src="http://30051140.ranking.fc2.com/analyze.js" charset="utf-8"></script>