しまんちゅシネマ

映画ノート

セブン・シスターズ(2016)


What Happened to Monday ?
Seven Sisters
 
ノオミ・ラパスが7つ子姉妹を1人で演じるSFサスペンス。
 
2076年、人口の増加で食糧不足となった欧州連邦。
政府が一人っ子政策を実施する中、7つ子として生まれた姉妹は、世間に身を隠し、7人が一人としてふるまうことで生き残りをかけるのだが・・
 
資源枯渇による食糧不足の近未来像や政府の支配に置かれる国民の図などは、最近のSFでありがちだけど、食糧不足の原因の一つが、遺伝子組み換え食品の影響で多生児が生まれているというのは実際に起きそうで恐ろしい。
7つ子ちゃんとして生まれてしまったナオミ・ラパス一人七役の姉妹たちは、マンデイ、チューズデイ・・と曜日の名前をつけ、その曜日の日だけ一人の女性として外に出るという生活を長いこと続けている・・
えっと、一人分の給料で、どうやって食料を確保したのかな?とか、
個人情報を埋め込んだリストバンドの、定期更新みたいなのはないの?とか、
ウィレム・デフォー演じる父ちゃんはどうなったんだっけ?とか(私が観そこなっただけかな)
色々ツッコミどころはあるのだけど、マンデイ、チューズデイが続けて姿を消し、あれよあれよという間に、政府から追われる怒涛のアクション劇になだれ込むのだから、ツッコんでる暇がない。
ノオミ・ラパスは7つ子を一人で演じ、まさに出ずっぱりで走ったり、ぶっ飛んだり、闘ったり、おまけのベッドシーンまでこなす熱演でした。七変化でそれぞれのキャラを演じきる演技力と意外なアクション力が、映画を力業で引っ張った感。
描写がなかなかエグいと思ったら、監督は『処刑山 -デッド・スノウ-』のトミー・ウィルコラだったのね。
 
政府の政策の責任者にグレン・クローズ
ニコール版『ステップフォード・ワイフ』のクレアに通じる「理想は高いけど狂ってる」系の女性。こういう妄執系の役を演じさせたら、右に出るものはいませんね。しかし、理想を追求しなければ人類に未来はないのかな と、ちょっと思わせるところがあったな。
 
設定の目新しさもあってなかなか面白く観ましたが、ウィルコラ監督ならもう少しユーモアがあってもよかったかも。


映画データ
製作年:2016年
製作国:イギリス/アメリカ/フランス/ベルギー
監督:トミー・ウィルコラ
脚本:マックス・ボトキン/ケリー・ウィリアムソン
出演:ノオミ・ラパス
     マーワン・ケンザリ
     ウィレム・デフォー
     グレン・クローズ