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映画ノート

恐怖の報酬

 

1953年(フランス)監督/脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー出演:イヴ・モンタンシャルル・ヴァネルペーター・ヴァン・アイク/フォルコ・ルリ/ヴェラ・クルーゾー【ストーリー】メキシコにほど近い中米の町ラス・ピエドラス。マリオは同じ食い詰め者や札付きたちの集まるこの町で、恋人リンダや仲間のジョーと苦楽をともにしていた。そんなある日、町から500キロ離れた山上の油田で大火災が発生、犠牲者も続出してしまう。石油会社は一刻も早く消火させるため、ニトログリセリンの使用を決断。そこで危険なニトログリセリンを運搬する4人を賞金付きで募集し、マリオ、ジョー、ビンバ、ルイジが選ばれた。
■感想
油田で発生した大火災を消火するため、ニトログリセリンをトラックで運ぶ四人の男を描いた傑作サスペンス!
カンヌでグランプリとヴェネチア金熊賞、両方を獲得した最初の作品なんですね。

 

聞きしに勝る凄い作品でした~。

 

油田火災を沈めるために、オイル会社は止むなく油田の爆破を決定。
爆破に使用するニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事は、大きな危険を伴うもの。

 

寂びれた街に暮らすマリオと他の3人は、賞金目当てでこの危険な仕事に挑む訳ですが、
街から油田までの500キロの道のりが大変に不便なもので、途中トラブルの連続なんですね。
ニトログリセリンの特性上、衝撃を与えれば爆発し、命はない。

 

まさに手に汗握る緊張なんですね~。

 

しかしながら、この映画の面白さはこの緊張感だけにとどまりません。
2台のトラックに乗り込む4人の男たちの間の結束、信頼関係、そういった人間対人間の描写も面白い!

 

主演はイヴ・モンタンってことになるんでしょうか。有名な俳優さんなのは知ってましたが
恥ずかしながらこの方の映画を観るのは初めてかも。意外にも醤油顔で、伊武文太んとお呼びしたかった(笑)

 

で、お気の毒だったのがジョーを演じたシャルル・ヴァネル
結構お年だったと思うんだけど、、身体張ってましたよね^^;
イヴ・モンタンそりゃないぜ~って思いましたです、はい。

 

監督は『悪魔のような女』のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー
『悪魔のような~』にも出てましたが、本作で伊武文太んの恋人を演じたヴェラ・クルーゾーとは夫婦だったんですね。

 

映画のラストにも驚きましたが、この映画に流れる、退廃的なムードにあっていましたね。
貧しい街に暮らす人々の、どうしてもこの吹きだまりから逃れられない哀愁のようなものが漂い
そこが一番好きだと思った作品でした。

 

油田の火災シーンも迫力だったな。この時代だからCGなしですよね。

 

今更ながら‥傑作です。




★★★★★