しまんちゅシネマ

映画ノート

回路


2000年(日本)
監督:黒沢清
出演:加藤晴彦麻生久美子小雪有坂来瞳松尾政寿武田真治風吹ジュン哀川翔役所広司
 
■感想
昨日観た『リセット』があまりに意味不明で、
記事を書いた後に、ヤフームービーのレビューをチェックしたところ
まんま『回路』じゃん!ってコメントを発見。
前にテレビでやってたのを録画してたので観てみました!
 
【ストーリー】
一人暮しで平凡なOL生活を送るミチ(麻生久美子)。ある日、ミチの同僚が自殺。勤め先の社長は失踪。次々に友達が、家族が消えていく……。
一方、大学生活を送る亮介(加藤晴彦)にはインターネットを介して奇妙な現象が起き始める。 胸騒ぎを感じた亮介は、同じ大学で奇妙なインターネット・サイトを研究している春江(小雪)に相談を持ちかけるが……。
 
なるほど~、確かに共通点があります。
まず闇に飲まれるように、次々に人が消えていくこと。
闇は異次元の世界との境界のような描き方なんですね。
異次元の魂(霊)に襲われるときの不気味な音声なんかも似てて、
これ先に観てたら、「パクり?」と感じたかもです。

なんの説明もなく闇から逃げる『リセット』に対し、
こちらはちゃんと説明してるのが分かりやすい。
 
ちょいネタばれだけど
あの世がいっぱいになって、霊魂が現実の世界に侵食してくる
言い換えれば、パックマンに食われてスクリーン全部がパックマン色に塗り替えられるようなことが
現実の世界で起こるわけですね
「開かずの間」的なところで繰り広げられるホラーはあまり感心しなかったけど
小雪の存在は現代人の「孤独への恐怖」を浮き彫りにしていて面白い。

生存者5人の暗闇の終末世界で、なおサバイバルに専念する『リセット』よりも
自ら暗闇に足を踏み入れようとする弱さを描いた点も、よりリアリティがありました。
ま、日本で拳銃自殺というのは、ピンとこないけどね。

「闇」への恐怖は誰もが感じるところだけど
それが死の世界に繋がるとしたら・・・
もう暗闇に独りでいられなくなりますよ。
 
ということで、
本作のプロットを当てはめると『リセット』は理解しやすいかもしれません。
といっても、『リセット』に説明がない限り、それが正解かどうか分かりませんけど。
 
インターネットであの世との繋がりが開いてしまうところなど
現代の「怪」としての描き方もいいよね。
でも一部、役者さんの演技が下手すぎるのは気になった~w