しまんちゅシネマ

映画ノート

Cinema de しりとり 『ツォツィ』


Cinema de しりとり 2回目 【つ】

「つ」から始まる映画
今日はずっと観たいと思いながらそのままになってた『ツォツィ』!
南アフリカのスラム街を舞台に、ツォツィ(=不良)と呼ばれるギャングの少年が、
小さな命との出会いをきっかけに、生きる希望を見出していく姿を描く、
アカデミー賞外国語映画賞受賞のヒューマンドラマです。
 
ツォツィ(2005)南アフリカ/イギリス
監督:ギャヴィン・フッド
出演:プレスリー・チュエニヤハエ/テリー・フェト/ケネス・ンコースィ/モツスィ・マッハーノ/ゼンゾ・ンゴーベ/ZOLA
 
■感想
ヨハネスブルグのスラム街。
ツォツィ(不良の意味)と呼ばれる主人公の少年は、仲間とともに窃盗や暴力を繰り返し、
ときには殺人も厭わない。
ある日、一人で盗んだ車の後部座席に赤ん坊を発見。
この赤ちゃんが顔を覗き込めばに泣きやみ、立ち去ろうとすれば泣き出す絶妙の演技(?)で可愛い♪
しかたなくツォツィは、その子を抱き上げ、紙袋(!)に入れ持ち帰ります。
 
朝起きてみれば、うん○まみれで臭うしwお腹を空かせて泣き叫ぶ
途方にくれて、コンデンスミルク(?)を与えてみたら、モグモグして泣き止んだ!(可愛い
 
赤ん坊の「命」が、自分にかかってると知り
それまで、命を虫けらのように扱い、仲間との繋がりも求めていなかったツォツィの中で
何かが変わり始めます。
赤ん坊を見つめる彼のまぶたには、その過去が浮き上がり
やがて彼は「生きること」の意味を模索するようになるんですね。

アパルトヘイトは終わっても、黒人間でも身分の格差が激しいようで
赤ん坊の両親は黒人だけど、豪邸に暮らし、
一方、スラム街では子供はドラム缶を住まいにする状況。
映画は、そんな子供が生きていくには、犯罪に手を染めるしかないという現状を映し出しながらも
道を開くことはできるのだと、訴えてもいるのでしょう。

電動車いすの浮浪者を忌み嫌い、石を投げつけさえするツォツィ
彼からは「それでも生きる」強さを学びます。

少々ベタな表現かもしれないけれど、
赤ちゃんに癒されるのは誰も同じ
少年が変わっていく(学んでいく)姿は感動的で、最後に救いがあったのもよかった!