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映画ノート

それでも、愛してる

ジョディ・フォスターの16年ぶりの監督作品となる本作は
メル・ギブソンを主役に迎え、うつ病になった男とその家族を描くヒューマンドラマ。
今週公開と言うことでDVDで再見しました。


それでも、愛してる
2011年(アメリカ)
原題:The Beaver
監督:ジョディ・フォスター
出演:メル・ギブソンジョディ・フォスター
アントン・イェルチンジェニファー・ローレンス
ライリー・トーマス・スチュワート
【ストーリー】
ウォルター・ブラックは、父親から玩具会社を継ぎ、
豪華な家を持ち、結婚20年目を迎えようとしていた。
しかし、妻と子供と暮らす幸福な日々から一転、
突然、うつ病にかかってしまう。
さらにウォルターの病は自身だけでなく子どもたちにも
影響を与えはじめ……。(ぴあ映画生活より)


妻(ジョディ・フォスターから別居を余儀なくされ、
まさに自殺を図ろうとするとき、ウォルター(ギブソン)を阻んだのは
カーストアのゴミ箱から拾ってきたビーヴァーのパペット人形。
それ以後、ウォルターはビーヴァーを手に
腹話術のように自分の言葉をマペットに語らせ
周囲にも治療の一環と納得させることで
アグレッシブな自分を取り戻すのです。
でもそんなこと本当に可能なの?ってことですよね。

頑強な役柄で親しまれてきたメル・ギブソン
一転うつ病に沈む男を演じて話題になりました。




メルがビーヴァーを操る器用さが楽しく、
ビーヴァーとウォルターの2ショットにも笑えるんですが
段々にビーヴァーがウォルターを乗っ取っていくような展開に
観てるものも恐ろしさと不安を感じ始めるんですね。
うつ病」という題材を使っている点で、
このファンタジーな表現には賛否両論あるところかもしれません。
ビーヴァーはウォルターの病的な精神の現れだと理解はできるのだけど
その行動自体無理なんじゃないの?などと、
私自身素直に観れないところがありました。

でも、この映画は医学的なこだわりを捨て、
前向きになれない人への応援歌として観るのが正解でしょう。

何かに隠れたり、ごまかしたりするのでなく、
自分に正面から向かい合いなさい。
家族も「前のような完璧」を求めるのでなく、ありのままを受け入れ愛しなさい
そこから新たな家族の歴史を作っていけばいいんだよ、
そんなメッセージを感じる映画です。

息子にアントン・イェルチン、そのガールフレンドにジェニファー・ローレンス
ティーンエイジャー2人の再生を描くサブストーリーが
フレッシュな味付けとなっています。


日本公開は6/23~
★★★☆