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映画ノート

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム




恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム(2007)インド
原題:Om Shanti Om
監督:ファラー・カーン
出演:シャー・ルク・カーン/ディーピカー・パーデゥコーン/アルジュン・ラームパール/キラン・ケール
日本公開:2013 3/16
オーム(シャー・ルク・カーン)は、スターを夢見る脇役俳優。女優シャンティ(ディーピカー・パードゥコーン)に淡い恋心を抱いているが、高嶺の花である彼女を遠くから眺めるのが関の山。だがある時、撮影現場の事故からシャンティを救出したことがきっかけで、オームは彼女と急速に親密になる。しかし彼女は売れっ子プロデューサーのムケーシュ(アルジュン・ラームパール)と結婚していて・・

インドでこの年一番の興行を打ち立てたファンタジーな娯楽作品です。

原題のOm Shantiというのは「宇宙の平和」という意味があるそうですが、
本作はその名前を持つ
オームとシャンティの物語
厳密に言うと、オームとシャンティとオームの物語・・・

オームが一個多いやん! はい、よく気づきました(笑)
実は二人目のオームは輪廻で生まれてきたオーム
本作は1977年に起きてしまったある悲劇に、生まれ変わりのオームが対峙するという究極の恋愛物語なのです。



多岐川裕美さん似のヒロイン、シャンティを演じるディーピカー・パードゥコーンの美しいこと!
前半は売れっ子スター、シャンティとして歌って踊る彼女を見るだけでもお金を払う価値あります。



主人公オームは全然カッコよいと思えないのだけど、生まれ変わり時の鼻持ちならない大スターぶりと誠実なオームの演じわけも見事。何よりも確かな歌唱力と情熱で、シャンティへの熱い思いを演じ挙げ、いつのまにか、彼の切ない思いに引き込まれてました。

豪華絢爛、エンタメたっぷりの前半から、30年の時を経て、哀しみのリベンジものへと姿を変えるふり幅も見事。
インドという国は、親や友人を大事にする国なんだろうなぁというのが伝わり、
ベタに感じる表現でも素直に受け入れられるんですよね。

お前は大スターになるべき男だと言われ続けていたオーム
ヒロインを撮影現場のボヤから救うシークエンスなどなど、伏線の仕込み方も丁寧。
気持ちよく笑って、切なさに涙して
それでもお約束の歌と踊りで、盛り上がって終わる。
ボリウッド作品、気持ちいいわ。