しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』クロエちゃんもすっかり大人




イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 (2014)アメリ
原題:If I Stay
監督:R・J・カトラー
出演:クロエ・グレース・モレッツ/ジェイミー・ブラックリー/ミレイユ・イーノス/ジョシュア・レナード/ステイシー・キーチ
日本公開:2014/10/11
ゲイル・フォアマン原作の人気YA小説『ミアの選択』の映画化です。

ミア(クロエ・グレース・モレッツ)はチェロ奏者になることを夢見る17歳の高校生。
家族にも恋人にも恵まれ充実した日々を送るミアですが、突然の事故で家族を失い、自身も命の狭間をさ迷うことになります。
ベッドに横たわる自分の姿を前に、三途の川を渡るかどうかの選択を迫られるが・・

なんじゃそりゃヾ(´ω`=´ω`)ノ(笑)


三途の川は出てきませんが
うーん、生きるか死ぬかを決めるのは自分・・ってところに違和感を感じて
家族がいなくなって辛いからと死を選ぶの?
じゃ支えるべき家族がいて生きたいと願えばみんな助かるわけ?
宗教が違えば容易に受け入れられることなのかな 
などと、ひねくれた目で見ちゃいました。

でもミアの立場を自分に置き換えてみたら、その気持ちは少しわかります。
突然愛する家族を奪われたら私でも生きていけない。
ましてや17歳が一人で生きるのは辛すぎるでしょう。
そんなとき、あちらの世界に行く決断を下す権利が自分にあるとすれば・・ってね。

映画は最後にミアの決断を見せて終わるわけですが
その過程として、ミアが家族との関係やアダムとの恋を振り返るという描き方。




ロックミュージシャン転じてファミリーマンになった父親(ジョシュア・レナード)を筆頭にミアの家族が楽しくて好きすぎる。まだ小さい弟も可愛くて、時間を遡り家族の歴史を見せるところがたまらないんですよね。




最初はあまり好きになれなかったアダム役のジェイミー・ブラックリー
段々に素敵に思えてくる。

ミアだけじゃなくて、様々な人の選択が描かれる中、心に残ったのはミアのお父さんの選択。
チェロに魅せられ奇妙な音を奏でる幼いミアを優しく見つめる父親が
自分の夢を捨ててでも娘に託す愛。
「犠牲」というには尊すぎるその選択も後から思えば泣けるんですよね。
家族を静かに見つめるおじいちゃんを演じるステイシー・キーチも最高
ベテランらしい風格で映画のテーマを語る重要な役割を担っていました。




本作では恋をしたりチェロを演奏したりと、新たな一面を見せてくれるクロエちゃん。
演奏シーンの大半は頭をつげ替えたボディダブルだそうですが
曲に乗せあふれ出る感情を繊細に表現していたと思います。

人生の岐路に立ったとき、人は様々な選択を迫られます。
家族や恋人と誠実に向き合い決断を下したなら、おのずと道は拓ける。
そんなことを教えてくれる作品です。