しまんちゅシネマ

映画ノート

ジョゼと虎と魚たち


2003年(日本) 監督:犬童一心   原作:田辺聖子 出演:妻夫木聡池脇千鶴新井浩文上野樹里/江口徳子/新屋英子【ストーリー】大学生の恒夫はアルバイト先の麻雀屋である噂を耳にする。それは、近所に出没するひとりの老婆のこと。彼女はいつも乳母車を押しているが、その中身を知る者は誰もいないというのだ。そんなある朝、恒夫は坂道を走ってくる例の乳母車と遭遇する。乳母車には包丁を持った少女がいた。足の不自由な彼女と交流を始めた恒夫は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…。
■感想
気になってた作品。
メゾン・ド・ヒミコと同じ監督さんの作品だったことをあとで知りました。

足の不自由な少女とのピュアな恋物語
独特の間があって、ちょっとコミカル。
でも描かれている内容はとってもリアルでした。

ひょんなことから始まった普通の大学生恒夫(妻夫木聡)と足の不自由なジョゼ(池脇千鶴)との交流。
ジョゼと暮らす祖母には現実が見えていて、
「お前は壊れもんや。壊れもんには壊れもんの分がある」とジョゼを諭す祖母。
ジョゼにもそれは分かっているんですね。
それでも今の一瞬を大事にしたいと願うジョゼ。
諦めと期待が入り交じり、強がっていても不安でいっぱい。切ないです。

二人の愛の結末は。。。
リアルだと思います。
最後のシーン恒夫の涙・・・。
過ごした時に偽りはない。確かにそこに愛があったといえるでしょう。
前を向こうとするジョゼも颯爽としていて良かった。

甘いラブストーリーではないけれど、真実みがあるからこそほろ苦いながらも清々しい。
いい作品だと思います。

DVD観賞後、主演二人と監督のトークのコメンタリーを観てましたが、
途中で池脇千鶴のコメントがあまりにうざくてみるのやめました(笑)

ジョゼのおばあちゃん役の役者さん、マジですかって感じの味のある方ですね~。
コメンタリーで監督が「ミック・ジャガーにちょっと似てる」と言ってて笑ってしまいました。

★★★★☆