しまんちゅシネマ

映画ノート

ふたりの5つの分かれ路


2004年(フランス) 監督:フランソワ・オゾン 出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ/ステファン・フレイス/ジェラルディン・ペラス   フランソワーズ・ファビアン/アントワーヌ・シャピー/マイケル・ロンズデール【ストーリー】この日、久々に再会し離婚手続きを終えたマリオンとジルはホテルで肌を重ねた。しかし、ふたりの間にはもう元には戻れない隔たりがあった。結論は変わらないと悟り、マリオンは部屋を後にする。そして時間は遡り、ふたりの思い出の時がひとつ一つ甦っていく…。
■感想
これ、手法が面白いですよね。
最初に描かれるのが別れ。ひとつの愛の形に終止符を打とうとするシーン。
次に特別なディナー、出産、結婚、出会いへと時間が戻されます。

どれどれ。どこが悪かったのか観てみようじゃないの。って感じで見始める。
だけど、うーん、どれも別れに繋がる決定的な理由とは言いがたいのかもしれない。

あのときこうしていたら、、、とか、そんなものではないなぁ。
男女の間の溝なんて、少しずつ広がっていくんですよね。

女の私としては、一番理解できなかったのは出産の時のシーンです。
初めての出産、しかも異常分娩。夫に一番そばにいて欲しいときに。。。
夫をそういう行動に走らせたものがなんだったのかについては詳しく描写されてない訳で。
結婚式当日の妻の行動に端を発するのかなぁ、とか、父親になる実感にビビったのかなぁとか
自分なりにあれこれ考えてはみるものの、これといった結論には至りません。

ただ、このエピソード妻の気持ちを大きく傷つけたことに違いはないでしょうね。


冒頭のシーンを観ると、妻は思いのほかドライに、夫はちょっぴり未練がましく描かれていたような。
部屋を後にするときの、BGMが妙に70年代歌謡曲風で、これちょっと笑ってしまいましたよ。



ラストシーンの黄金色に輝く海が美しすぎただけに
この時間はもう帰って来ない、二人の未来は無機質な別れなんだと思うと寂しい~気持ちになりました。


男性の方が痛いと思う作品かもしれません。




★★★*☆