しまんちゅシネマ

映画ノート

ファニー・ゲームU.S.A


2007年(米)監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ出演:ナオミ・ワッツティム・ロスマイケル・ピット/ブラディ・コーベット/デヴォン・ギアハート【ストーリー】穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かう一家。車に乗っているのはジョージと妻アン、息子と愛犬。ー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。そこへピーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたピーターだったが、もう一人ポールが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。
■感想
「隠された記憶」「ピアニスト」「セブンス・コンチネント」と3作観て、なんとなく封印してたハネケ先生でしたが、
ナオミ・ワッツ主演のハリウッドリメイク版とあっては、観なきゃ、、ですよね。

オーストリアで製作されたオリジナル「ファニー・ゲーム」はカンヌでグランプリを獲得してるんですね~。
ただし私、こちら未見です^^; 

なのでオリジナルと比べてどうかということは言えないのですが、暴力的で悪意に満ち、観るものに大きな不快感を与えるというところは同じでしょう。ストーリーもおそらく同じなのだと思います。

休暇で一人息子を連れ別荘にやってきた夫婦、アン(ナオミ・ワッツ)とジョージ(ティム・ロス)。
彼らは隣人の知り合いと名乗る二人の青年に遭遇し、彼らのゲームのターゲットにされてしまうのです。

ポールとピーターと名乗る青年たちの素性は全く解りません。
最初から白い手袋をつけている姿がとにかく不気味。
そして彼らの動機も不明、彼らに共感出来る部分は皆無なのです。


ハネケがこの映画で言いたかったことってなんなんでしょうね。
やはりこれはゲームの世界?

昔流行ったインベーダーゲームなんかは可愛いものでした。
でも今のゲームって人を殺していくものが人気なんでしょ?
バーチャルの世界でリアリティを感じないまま、残虐な方法でターゲットを殺していく。
そんなゲームに危険性を感じ、警鐘を鳴らすものなのかなぁと思ってみたりします。

実際、これがゲームだと思わせるシーンが一カ所あるのです。
あまりに唐突なそのシーンにちょっと面食らって、「へ?」っとばかりに思わず巻き戻して観てしまいました。
このシーン、オリジナルでもあるのかなぁ。

あまりにも残虐な内容に、「深く考えないでね。これはゲームなんだから。」そう言っているのだと解釈しました。
もしもこれがリメイク版にだけに用意されてるのだとしたら、ハネケ先生、ある意味「弱腰」ですよね(笑)

個人的にはこの瞬間に張りつめていた緊張感が一気に途絶えました。
そんなわけで、思ったよりは怖さを感じずに観れたかもしれません。

ナオミ・ワッツ、、この日、もう少しお色気のある下着をつけてたら良かったのに、残念だったね、、という感じ^^;




★★★★☆