しまんちゅシネマ

映画ノート

パラサイト・バイティング


2008年(米)監督:カーター・スミス製作:ベン・スティラートリッシュ・ホフマン、ゲイリー・バーバー/ジョー・アンダーソン 出演:ジョナサン・タッカージェナ・マローンローラ・ラムジーショーン・アシュモア【ストーリー】メキシコのリゾート地に卒業旅行にやって来たアメリカ人4人組。現地で知り合ったドイツ人旅行者と一緒にジャングルの奥地にあるという遺跡へと向かうが、そこに待ち受けていたものは...。
■感想
キング選定の今年のトップ10の8位にランクされた作品。TVで放送されていたので観ました。
気軽な卒業旅行のはずが、一転、ジャングルで危険なサバイバルを体験する4人の若者の姿を描いたホラースリラーです。

これは『シンプル・プラン』の作者でもあるスコットBスミスの同名小説の映画化で
監督にカーター・スミス、原作者は脚本も担当。製作にベン・スティーラーも名を連ねています。

メキシコに旅行にやって来たアメリカ人大学生の2組のカップル。
たまたま知り合ったハンサムなドイツ人青年(『アクロス・ザ・ユニバース』のマックス役ジョー・アンダーソン)が、連絡が取れなくなった兄を探しに、いとこと共にマヤ遺跡に向かうと聞き、興味本位に同行します。

「そこはヤバい」というタクシードライバーの言葉も無視し、ジャングルの奥深くの遺跡に辿り着く6人ですが
歓びもつかの間、馬のいななきとともに現れた現地のマヤ部族により襲撃されてしまいます。
命からがら小高い遺跡を駆け上った若者たちは、そこで恐ろしい体験をすることになるのです。



ま、彼らが遭遇する恐ろしいものというのが遺跡に絡み付いたツタ性の植物なんですけどね。
これがとんでもないヤツでして。なんと人を喰うというものなんです^^;

ジャングルの奥地には、魅惑的な匂いを放ち、虫を呼び寄せ食べる植物とかもあるわけで、
人を呼び寄せ、食べる進化した植物があっても別におかしくない(?!)^^;

とは言え、植物がムシャムシャ人間を食べる、昔のパニック映画みたいなものではありません。
でもこの植物の進化した姿(‥技というべきかな)には、かな~りゾゾっとしました。

遺跡を降りれば勿論植物からは逃れられるんですが、下には銃や矢を構えた原住民が待ち構えてるんですね。
八方ふさがりな中、若者たちはこの遺跡を脱出し、無事帰国することができるのでしょうか。



誰が最後まで生き延びるのか予測するのも、こういうサバイバル映画を観る時のひとつの醍醐味だと思うんだけど、
本作は「こういうヤツが真っ先に死ぬ」というホラー映画の鉄則を覆しながら展開。
先が読めず、思ったよりも楽しめましたが、植物と遺跡やマヤ人の関連などが描かれていると、より深みが出たでしょうね。

主演の医大生ジェフにジョナサン・タッカー(『告発のとき』のマイク)、その恋人エイミーにジェナ・マローン(『イントゥ・ザ・ワイド』の妹)。

不条理でスラッシャーな作風はB級なテイストだし、好みも別れるところでしょうか。
『ディセント』あたりがお好きな方は十分に楽しめる作品だと思います。



★★★*☆