しまんちゅシネマ

映画ノート

ヘヴン


「クリスマスに愛を」4本目。空高く舞い上がる愛『ヘヴン』

2002年(ドイツ/イギリス/アメリカ/フランス)監督:トム・ティクヴァ脚本:クシシュトフ・キエシロフスキー出演:ケイト・ブランシェットジョヴァンニ・リビシ/レモ・ジローネ/ステファニア・ロッカ   アレッサンドロ・スペルドゥーティ/マッティア・スブラジア/ステファノ・サントスパーゴ
■感想
トム・ティクヴァ監督が男女の運命的な愛の行方をファンタジックに描いた作品。
脚本は『トリコロール』3部作のクシシュトフ・キエシロフスキー。これが遺稿になるのだそうです。
【ストーリー】
イタリア、トリノで英語教師として働くフィリッパは大企業の社長ヴェンディーチェのオフィスに時限爆弾を仕掛ける。ヴェンディーチェは麻薬売買の黒幕で、フィリッパの夫と、教え子を自殺に追いやった男。しかし策略は失敗。爆弾の犠牲になったのは掃除婦と子供二人を含む罪のない4人。国家憲兵隊に逮捕されたフィリッパはその事実を知り、ショックのあまり気を失う。
取調べの通訳をする若き憲兵隊のフィリッポは、そんなフィリッパに魅かれていく・・・。



爆弾犯フィリッパにケイト・ブランシェット
そのフィリッパに惹かれ、逃亡を助けることになるフィリッポにジョヴァンニ・リビシです。
二人はイタリア語まで喋っちゃうんですね。
自分の犯した罪の重さを誰よりも知ってる女と、それを承知で愛してしまう若者

美しいイタリアの風景
あまりにもシンプルな男女
台詞も音も極力排除したかのような静けさ

破滅に向かうしかない二人なのに、その愛は不思議なほど穏やか。そして刹那的。

ラストはファンタジー的になってますが、二人が出会うのは運命だったと感じるエピソ-ドを入れることで
いきなりのファンタジーにも納得できました。

フィリッポはフィリッパを天に誘うために生まれた天使だったのだと思うんですよね・・・。
美しい映画でした。



★★★★☆