しまんちゅシネマ

映画ノート

クロッシング・ガード



■感想
監督ショーン・ペン監督2作目は、交通事故で娘を亡くした父親と
事故を起こした加害者人の魂のぶつかり合いを描いたヒューマンドラマです。
父親フレディにジャック・ニコルソン、加害者ジョンにデヴィッド・モース
 
冒頭、セミナーで喪失の悲しみを語り合う人たちの中に
「自分自身を見失っている」と告白する参加者がいました。
その発言にフレディの妻メアリー(アンジェリカ・ヒューストン)はハッと気づくところがあったのでしょう。
前に進まなければ・・・・。

一方ニコルソン演じるフレディは娘の死を受容できないまま、どんどんと自分を落としてしまった様子。
妻と息子は彼の元を去り、孤独な中、悲しみを怒りに置き換え、かろうじて精神を保っているような暮らしぶり。
そしてついに加害者ジョンが6年の刑を終え出所してくるその日、フレディはジョンの家に侵入し報復の銃口を向けることに。。


タイトルのクロッシング・ガードは横断歩道を渡るのを助けてくれる人のことだそう。
劇中、街を行くくフレディとクロッシング・ガードのおじさんの視線が絡み合うシーンがあります。
おじさんの瞳は「お前は大丈夫か?ちゃんと道を渡ることができるのか?」と訊いているかのようでした。
 
加害者との対決をサスペンスフルに描きながらも
途中は割とダラダラとしたところがあるのだけど最後は急展開。
一気に感動に包まれることにになるからびっくり。
憎しみに翻弄される結果、娘の墓を訪れたこともなかった主人公が
ついにその死を受容する瞬間には涙があふれました。

人は悲しみの淵から這い上がるには手助けをしてくれるクロッシング・ガードが必要なのかもしれません。
この映画ではそのクロッシング・ガードとなった存在の意外性が良かった。
事故の被害者と加害者それぞれの葛藤と再生、癒しと赦しを丁寧に描いた重厚な作品でした。
こういうのを観るとショーン・ペンってきっと優しい人なんだろうなと思いますね。
 
今回も役者の演技が素晴らしい。
中でもニコルソンの妻を演じたアンジェリカ・ヒューストンがうまいですね。
その他の共演にロビン・ライト
ちょっと驚いたのがニコルソンの経営する宝石店店員として石橋凌が出てたこと!
何でオカマちゃん(≧∀≦)