しまんちゅシネマ

映画ノート

ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~


2009年(米)
監督:イギリス/オーストラリア
出演:アビー・コーニッシュ/ベン・ウィショー/ポール・シュナイダー/ケリー・フォックス/イーディ・マーティン 

■感想
ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督が、25歳でこの世を去った英国詩人ジョン・キーツとその恋人ファニー・ブローンの儚いロマンスを描いた作品です。
 
英国詩人ジョン・キースという方は残念ながら全然知らないんですが
最も美しい詩を書く作家の一人なのだそうです。
でもその詩が高く評価されるようになったのは彼の死後。
生前は彼の才能を信じる友人の力を借りて詩の製作に励むものの 
暮らしは貧しく、愛する人に結婚を申し込む資格さえなかったのですよね。
 
キースを演じるのは貧相を演じさせたら右に出るものはないベン・ウィショー。(失敬)
その恋人ファニーを演じるのはオーディションでヒロインの座を得たアビー・コーニッシュです。
裁縫が大好きで、自分の着る服も作ってしまうヒロインを演じたアビーは
個性的なデザインのドレスに身を包み、若さもお肉も弾けんばかり。
きっちり真ん中分けしたヘアスタイルに潔癖さを漂わせ
一途な恋に生きるファニーをみずみずしく演じます。
 
けれど貧しさが愛する二人を隔てるんですね。
後半はとてもつらいお話になってしまうのだけど
19世紀はじめの雰囲気を漂わせる美しい映像や音楽は素敵でさすがに女性監督ならではの感性です。

アビーはこの時代の英国女性にしてはちょっと肉感過ぎに感じてしまうけど
妹ちゃんが古い絵本から抜け出したようで良かったなぁ。
この子も決して美人ではないのだけど、ファッションも動きも全て良かった。

キースのサポートをする友人チャールズ・ブラウンを『ラースとその彼女』のお兄ちゃん役
ポール・シュナイダーが演じます。上の写真のおひげの人、、ちょっと太った?
製作の邪魔になるファニーにつらくあたる、ちょっとやな奴を好演してましたが
終盤キースへの思いを吐露するシーンは迫力でした。
 
劇中挿入されるのがキースの詩の数々。
特にエンドロールではかなり長い一説が朗読されるのだけど、
悲しいかな文語体で表現されるこの手の詩を読みこなすほどの英語力が私にはないんだな。
二人が交し合う言葉の数々、詩の美しさこそが、この映画の魅力でもあるのでしょう。
しっかり理解できなくてとっても残念でした。

6/5~公開中