しまんちゅシネマ

映画ノート

8 1/2


1963年(イタリア)
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ/アヌーク・エーメ/クラウディア・カルディナーレ/サンドラ・ミーロ/バーバラ・スティー

■感想
今頃観たんかい! シリーズですな
ごくちまたで話題にのぼった『8 1/2センチ』・・・ちゃうがな(笑)
ってことで、ついに観ました~w
 
映画界の巨匠、フェリーニ
彼の作品も数本しか見てないんですが、巨匠といわれるフェリーニにもスランプがあり
名声を得たあとの生みの苦しみは、どんなだったんだろうと思う作品でした。
 
タイトルの意味は本作が短編を一本撮った彼の、長編8本目にあたるからだとか。
マルチェロ・マストロヤンニ演じる映画監督のグイドに、フェリーニは自分自身を投影したんでしょうね。
製作者、出演者、利害の絡むさまざまな人々との関係に疲れ果てるグイド
やがて彼の精神は幻想の世界へと現実逃避することになり・・・

現実と幻想を織り交ぜた映像が芸術を感じさせるほどで、面白いですね。

自分に自信が持てなくなったグイドには彼を取り巻く世界は実にグロテスク。
映画製作への焦燥感からか、まだ構想もまとまらないうちにスクリーニングテストが行われ
意見を求められたり・・
何か自信のない案件を抱えていたりすると、自分でもこんな夢を見ることあるから気持ちは分かる
正直グダグダなシーンが長いなと感じたけれど
めくるめく世界感は目を楽しませてくれました。

 
もう撮れない
全て終わり、寂しさに包まれ・・・
 
すると、どうでしょ。
彼の周りは一気に活気がよみがえり、そこには銀実の華やかな映画の世界が
最後には妻の手を引き、フィナーレの輪に加わる。
なんとも爽やかな幕引き ブラボー!
 
マスチェロヤンニはいい男ですね。
クラウディア・カルディナーレも可愛らしく、幻想の世界で映える人でした。

製作の苦悩を幻想的に描き、結局これがフェリーニの代表作にもなるんだから面白い。

 
リメイク版『NINE』は誰がどの役を演じるのかな。
正直ミュージカルは苦手だけど、これはちょっと楽しみです。
 
再見したらもっと良さが分かる気がします