しまんちゅシネマ

映画ノート

ミラノ、愛に生きる

 
 
2009年(イタリア)
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ティルダ・スウィントンPippo Delbono/Edoardo Gabbriellini/Maria Paiato
 
■感想
プレオスカー特集 4本目
今日は外国語映画賞へのノミネートに期待がかかるイタリアの作品を
 
ティルダ・スウィントン演じるエマは、イタリア、ミラノの富豪の妻
ロシア人であるエマは、夫に見初められミラノに嫁いで以来
美しき妻としての任務を果してきた。
今日は一家の長である、義父の誕生日
義父一代で財を成した繊維会社から身を引くことを決め、
エマの夫と息子の二人を後継人に任命した。
 
「共同後継人?」夫の顔が曇る
友人とレストランを経営することを夢見ていた息子も困惑の色を隠せない。
そしてこの日を境に、一家は静かに崩壊へと向かい始める・・

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イタリアで裕福に暮らしてきたけれど、男性優位な一家において、夫との間には微妙な距離がある
ロシア人であることも含め、自分を全て封印してきた人生ではなかったか
そんなときに息子の友人アントニオに出会い、エマは恋に落ちてしまうんですね。
陽光の元愛し合うスウィントンの瑞々しいこと。

エマの愛は一家を崩壊に導くのだけど
それまで押さえ込んでいたものを一気に爆発させるような、そのエネルギーを誰も止めることは出来ない
スウィントンの演技には、そう思わせる強さと潔さがありました。
レズビアンを告白する娘や、家政婦がエマの理解者という描き方も良かったです。
 
とにかく映像が美しい
暗い室内に映えるガラス食器の緑色
この世のものとも思えないようなミラノの建築物!!
やや緑色がかった雪景色の町並みと、田舎町の新緑と
緑色の美しさが印象的でした。
 
ドラマティックなラストシーンとともに、とても印象に残る作品でした。
これはちょっと凄いよ。
 
ナショナル・ボード・オブ・レヴュー賞では外国映画トップ6に選ばれ
ワシントンDC映画批評家協会賞でも外国語映画賞にノミネートされましたね。
スウィントンはタル・ベーラの『倫敦から来た男』ではフランス語を話し
ここではイタリア語と、トリリンガルなのでしょうか。凄いなぁ。
 
トレーラー貼っておきます
美しい映像をご確認あれ。