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映画ノート

【映画】オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ




シッチェス映画祭特集 6本目
今日は昨年のシッチェス映画祭で審査員特別賞を受賞した『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』を。

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013)アメリカ/イギリス/ドイツ
原題:Only Lovers Left Alive
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ティルダ・スウィントントム・ヒドルストンミア・ワシコウスカアントン・イェルチンジョン・ハート
吸血鬼でありながら、マルチミュージシャンとして活躍するアダム(トム・ヒドルストン)は、自己破滅的な人間たちの振る舞いを憂えていた。そんなある日、何世紀にもわたり愛し合ってきた恋人で、吸血鬼のイヴ(ティルダ・スウィントン)と久しぶりに再会。しかし、イヴの妹エヴァミア・ワシコウスカ)が2人のもとを訪れたことをきっかけに、3人の運命がゆっくりと変わっていく。



ジム・ジャームッシュが現在に生きるヴァンパイアの愛と葛藤を描いたファンタジー・ホラーです。




愛し合うヴァンパイアを演じるのはティルダ・スウィントントム・ヒドルストン
細くて青白くどこか高貴で、でもあんまし血が通ってなさげな2人はヴァンパイアにピッタリ。
ワカメ頭でロッカーなトムヒに慣れるのに少し時間がかかったけれど、
何世紀にも渡って生きるアダムのギター薀蓄は半端なく、ジャームッシュのオタク道炸裂ですな。

電話も使えば飛行機にも乗る。血液も病院で調達(闇取引ですが)するという新しい吸血鬼像を見せてくれる一方で、日光を避けフライトの時間にこだわってみたり、招かれなければ家に入ってはいけないなどの基本を押さえているのもうれしい。アダムの家の入り口でモジモジ招き入れられるのも待つイヴ(ティルダ)には笑ってしまった。ヴァンパイアのしかも夫の家に入るときでもそうなの?(笑)
着てるものが何世紀も前のものだったり、電気を自家発電していたりの浦島的な部分にもにんまり

でもクラシックの吸血鬼映画をあまり観てない私にはわからない部分もいくつかあってね
アダムは木製の銃弾で何をしようとしていたのか とか
トイレはどうなってるの?とか 手袋は何の意味があるの? などなど
気づかないままのこともあるだろうし、吸血鬼映画に詳しいとより楽しめるかと。

全体にダークではあるものの、エキゾチックなモロッコの風景等、映像も美しい。



汚染された地球、ゾンビほどに地に堕ちた若者たちを憂うアダムはジャームッシュの化身かな。
ジョン・ハート、ミア・ワスコウスカも吸血鬼役で登場。
血を口にしたときの、吸血鬼たちが恍惚の表情を見せるのが可笑しくてね(笑)
中でもティルダとジョン・ハートが最高w
ラストシーンもいいよね!