しまんちゅシネマ

映画ノート

雨の訪問者

雨の訪問者
1970年(フランス)
原題
LE PASSAGER DE LA PLUIE
   RIDER ON THE RAIN[米]
監督:ルネ・クレマン
出演:チャールズ・ブロンソン /マルレーヌ・ジョベール
   ジル・アイアランド /コリンヌ・マルシャン
【ストーリー】
ある雨の日、赤い鞄を手にした不気味な男がやって来て若妻・メリーを襲う。だが翌日、その男は死体となって発見され…。


先日の『ブロンソン』繋がりで、今日は本物のチャールズ・ブロンソン主演のサスペンス・ドラマ。

自宅で暴漢に襲われ、男を射殺してしまったメランコリーことメリー(マルレーヌ・ジョベール)は
レイプの事実を隠したいため、警察に通報もできないまま、死体を海に捨ててしまうんですね。
当然事件の発覚に怯えることに。
そんなメリーの前に現れるのがブロンソン演じる謎の男。
何故か男はメリーに「お前が殺したんだろ」と問いただす。
メリーはひたすら「やってない」と言い張るわけなんですが・・

犯罪ものとしてはとっても変わった作品でしたね。
まずブロンソンが異質。
彼の正体が軍人であることは早いうちにわかってくるのだけど
何故かプチサディスティック。かと思えば時に優しいところを見せるもんだから
だんだんダンディに見えてくる。70年代マジックですな。
途中ヒロインがLOVELOVEと書かれたエプロンをつけてて、
以後彼はメリーをずっとラブラブと呼ぶのねw
どんなキャラやねん!とつっこみたくなるけど、ブロンソンいいわぁ。

ヒロインのしぶとさも相当なもので
突きつけられる証拠を否定はしないけど「お前がやったんだろ?」と訊かれると、
必ず「やってない」と答えるという(笑)最後までそういう映画でした。

メリーがどうしてそんなにしぶといのかというところには
彼女のあるトラウマが関係していて、
この事件を通してそのトラウマと対峙するという部分も描かれていた気もします。
が、夫の位置づけがイマイチわかりにくく、トラウマへの対峙が夫婦の関係にどう影響したかという部分は
読みきれないものがありました。
映画の中で彼女が身につけているのが常に白というのも、何か意味がありそうと
少ない脳みそで考えてみたのだけど、その答えも見つけられなかった。
だれかご存知の方は教えてください。

まぁ、最後に言えることは、ブロンソンはヒロインに恋したということでしょうか。

ルネ・クレマン監督作品らしく哀愁を帯びた音楽が、
ちょっと変わった本作を、大人な作品に格上げしてましたね。
なんだかんだ言って好きです。この作品。

ちなみに白いミニスカが印象的なヒロインのマルレーヌ・ジョベール は
エヴァ・グリーンのお母さんらしいです。