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映画ノート

リドリー・スコット初監督作品『デュエリスト/決闘者』

リドリー・スコットの初監督作品は、ジョセフ・コンラッドの短編を基に
19世紀の欧州で、果たし合いに明け暮れた2人の男の姿を描くドラマです。

デュエリスト/決闘者
1977年(イギリス)
原題:The Duellists
監督:
リドリー・スコット
出演:キース・キャラダインハーヴェイ・カイテル
アルバート・フィニーエドワード・フォックス


duelというのは決闘という意味で、タイトルは決闘する者という意味ね。
ナポレオンの時代、ハーヴェイ・カイテル演じる軽騎兵のフェロー中尉は
たいそうな決闘好き。・・って、どんなヤツやねん。
見かねた軍の上官は「決闘しすぎで逮捕!」という軍令を下し
キース・キャラダイン
演じるデュベール中尉に伝令を依頼する。
あるご婦人のサロンにいるフェローに軍令を伝えるデュベールだったが
フェローは逆上し、デュベールに決闘を申し込む・・。



逆恨みから、執拗に決闘を挑んでくるカイテル氏はストーカーのごとき。
キャラダインにすれば、いわれのないことなのだけど
受けて立たなければならない時代だったのでしょうか。
結果二人は15年に渡って決闘を繰り返すんですよね~。
その闘いぶりの壮絶なこと。
スマートに刃を合わせる類のものでなく、剣による殴り合いに等しい(笑)
ちなみに刃の部分は特殊映像で処理されていて、二人は釣り竿状のヒモのついた剣で闘ってたんですって。





カイテルのしつこさと、イカレ具合が恐ろしく
キャラダインのストレスも半端じゃないんだけど
途中さりげにユーモアも交えているのが観やすいのと
額縁に入れたら完全に絵画になりそうな美しい映像も見もの。
さすがに映像監督という思うところでしたね。
後半には、ナポレオンに忠誠を感じているかどうかが問題になったり
さりげなくナポレオン失脚の時代を垣間見せる、歴史ものの味わい。

こんなヤツに付きまとわれて迷惑で仕方ないはずなのに
キャラダインは、途中何故かカイテルを救う行為にまで及ぶ。
悪友をしとめるのは自分でなければならないと言うことなのか
奇妙な絆が生まれているのが面白い。

永遠に続くように思えた決闘は
最後に終わりを迎えます。

んん!天晴れ!!

★★★★