しまんちゅシネマ

映画ノート

R.I.P.  ロジャー・エバート氏




4/4 映画批評家ロジャー・エバート氏がお亡くなりになりました。
アメリカを代表する批評家で、なんと46年に渡って多くの映画を批評し、
映画ファンに指標を与えてくれる存在だったんですね。

テレビでも活躍されていたという、昔のエバート氏のことは知りませんが
私もIMDbの批評家レビューのトップに掲載されているエバート氏のレビューに自然と目を通すようになり、
彼のファンになりました。
大事な台詞を聴き落とした時にも、エバート氏のレビューを読むと、映画の概観や繋がりがわかりやすく記されてるため、抜け抜けになって理解できてなかった部分をを埋めてもらうこともしばしば。
とてもありがたい存在でした。
若者に人気のブラックジョークに満ちたものはお嫌いだったりで、バッサりの低評価が微笑ましくもあり、
たまに、誰もが酷評してる映画に面白い部分を発見して褒めていたり。
甲状腺がんの手術で下顎の一部を失い、声も、かつての精悍な容姿も失いながら
映画への愛は決して失うことなく、昨年は300本の映画をレビューされているのだから凄い。

亡くなる2日前に投稿された最後のブログ記事には、今までに801のコメントが寄せられています。
記事タイトルは『A Leave of Presence』。
内容は、健康を理由に、レビューのペースも落とすことを発表してるのですが、
今後の活動の予定も書かれていたり、スコセッシ製作の氏をモデルにしたドキュメンタリーに期待していたりと、これからの活動継続を示唆するものだったのだけど、今となったら、『A Leave of Presence』はそのまま、存在を去ること、すなわち「死」を意味していたようにも思いますね。
寄せられたコメントも、途中から哀悼に変わっていますが、いかに多くの映画ファンに愛されていたのかがわかります。

年末には恒例の年間ベストを選出されていて、とても楽しみにしていました。
指標を失った気がして淋しくてたまりません。

癌の骨転移で移動も困難なエバートさんでしたが、映画会社の計らいで、新作もご自宅でご覧になれていたよう。(それも身体的な苦痛は大きかったはずだけど・・)
ブログ上ではまだ読めませんが、最後のエバート氏のレビューは、テレンス・マリック監督の新作だそうです。
★3.5(★4つで満点)とのことなので、映画も楽しみにしたいと思います。

エバートさん、これまでありがとうございました。
どうぞ安らかに。