しまんちゅシネマ

映画ノート

これもキュアロン『リトル・プリンセス』




2月は28日までだったのね。うっかり。
のんびりしすぎてオスカー特集終わりそうにないですがw
今日は『ゼロ・グラビティ』のアレフォンソ・キュアロンの作品から『リトル・プリンセス』を観ました・
リトル・プリンセス(1995)アメリ
原題:A Little Princess
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:リーセル・マシューズ/ エレノア・ブロンリーアム・カニンガム/ ヴァネッサ・リー・チェスター/ ラスティ・シュウィマー/ アーサー・マレット/ ラヒ・アジジ

バーネットの『小公女』を元にしたファミリー映画です。

 古くから愛され、日本ではアニメにもなってる本作を監督がどう料理してるのかに興味津々で
キュアロン応援作品としてチョイスしてみましたよ。

 インドで父(リーアム・カニンガム)と幸せに暮らすサラ(リーセル・マシューズ)は、父の戦地赴任を機にアメリカの寄宿舎学校に入学。厳格な規則に戸惑いながらも聡明で公平なサラはすぐに同級生を魅了していくのだが、父の戦死の報が届くや状況は一変。サラは学校の下働きとして屋根裏に追いやられ・・




 不思議な国を思わすインドと、ニューヨークの寄宿学校
シックな緑とオレンジ色を主体とした色彩の美しさ
格調高い装飾や調度品、風景、衣服にいたるまで美術のすばらしさが印象的です。






 サラ役のリーセル・マシューは可愛いだけでなく、演技も確かですね。
聡明で心優しく自由な心を持つサラが、厳格な女校長( エレノア・ブロン)の支配する寄宿学校に、
徐々に自由の風を吹き込んでいく姿が爽快。
彼女の話す空想の世界を幻想的な映像で見せるところに、キュアロン監督らしさが光ります。
インドの青い王はアバターの原型じゃね?(笑)

 使いの途中、道で思わぬ施しを受け戸惑いながらもそのお金でシナモンロールを買うシーンがあります。
お腹をすかせたサラが、久々のロールを頬張ろうとした瞬間
彼女は、自分よりも不幸な家族の姿を目にし、同じ年頃の少女にロールをあげるんですね。
その善行がやがてサラを幸せに導く。
いかにも児童文学らしい展開ですが、奇跡をベースにするのでなく、前向きな強さと、人を思いやる気持ちが運命を変えるのだということ、学校の仲間の友情と絆が幸福への鍵になるあたりも非常に気持ちのいい作品になっていました。



 年取るとえぐい作品を選びがちだけど、たまにこういう映画でリフレッシュするのもいいですね。
キーワードの「女の子はみんなプリンセス」は座右の銘とします(笑)

 映像革命となった『ゼロ・グラビティ』でも、技術面に賞賛の声が上がってますが
オスカーではぜひ監督賞を獲って欲しい。期待してます。